1)12月のリゾート会員権取引状況 

12月に入り、オミクロン株が大阪、東京で広がってきました。デルタ株よりも感染力が強いので警戒感が高まっています。
一方、経済環境ですが、日経平均株価が年間で5%上昇し、年末終値で32年ぶりの高値で終わりました。また、政府は2022年度の成長率を3.2%へ上方修正していますが、オミクロン株の感染が広がる懸念もあり予断を許さない状況となっています。

12月のリゾート会員権市場は一時の勢いはなくなっており、コロナ前の12月の取引件数と比較して1.2倍に留まっています。しかし、問い合わせ件数はコロナ前と比較して1.62倍となっているので需要自体は底堅くあると言えるのではないでしょうか。
現在の流通市場はオミクロン株の影響を見ながらの動きとなっているものと思われます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
12月も一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権で全体の42%を占めました。
例月、この価格帯の取引件数でエクシブが占める割合は30%程度でしたが、今月は50%を占め
ております。
理由は、エクシブ交換グレードAの会員権の取引件数が多かったこと。反面、サンメンバーズ・ワールドホリデーは品薄状態が続いており取引件数が少なかったことによるものです。
その他の会員権では鴨川リゾートクラブジャイロが安定して取引されています。

100万円~300万円未満および300万円以上の会員権の取引件数は同数でした。取引全体の29%となっています。
まず、100万円から300万円未満の取引状況ですが、エクシブの交換グレードC(ラージタイプ)の会員権の多くが100万円越えの価格帯になったことで100万円台の会員権のボリュームが増え、結果として取引件数が確保されたことによるものです。
一方、300万円以上の会員権の取引件数を見てみますと、エクシブの交換グレードS(スーパースィートタイプ)よりも、エクシブの交換グレードE(スィートタイプ)の方が多い月となりました。
スーパースィートタイプの会員権価格が高止まりしていることで、取引件数が伸びなかったことが要因となっています。

 

2) 12月のリゾート会員権流通の特徴

  12月の市場価格の変動件数は値上がり、値下がりそれぞれ同数となりました。
同数となったのは、年初1月以来となっています。2月以降は値上がり件数が常に値下がり件数より多かったので、今年の市場価格は強含みで推移したといっても良いでしょう。
12月の価格変更件数が多かったのは300万円以上の高額物件となっています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
12月 22件 22件 363ポイント +2ポイント
12月に値上がりした件数は22件で、先月より8ポイント減少しました。
値上がりした会員権価格の比率ですが、約64%が300万円以上の会員権となっています。
エクシブの交換グレードS(スーパースィート)で値上がりしたのは1件のみで、エクシブのEグレード乃至はSEグレードの値上がり商品が多い月となりました。

12月に値下がりした件数も22件でした。先月より1件少なくなっています。
11月同様、値下がりした会員権の45%が300万円以上の高額物件でした。
このように値動きの多い価格帯は300万円以上の会員権となっている一方、従来値下がり件数が多かったエクシブ交換グレードA(スタンダード)の会員権は減少してきていますので、底値感のある会員権も出てきています。

12月に最高値を更新した会員権は8件で、先月よりも1件少なくなっています。
その内訳はエクシブが4件、東急ハーヴェストクラブが3件、東京ベイコート倶楽部が1件となっています。
今月の特徴はエクシブ交換グレードE(スィート)の件数が多かったことです。これは11月にこのグレードの会員権の取引が多かったことによるものです。

一方、12月に最安値を更新した会員権は4件となりました。
ウィスタリアンライフクラブヴェルデの森が1件、エクシブが3件となっています。

エクシブで最安値を更新したのは交換グレードE(スィート)が2件あり、今まで、あまり市場に出ていなかったので登録されたことで最安値となっています。