1)7月のリゾート会員権取引状況
今年は、最近になく熱い夏がやってきました
そして、コロナ感染以降中断されていた花火大会やお祭りが再開され、忘れかけていた風物詩も戻ってきました。
一方、日銀6月の短観では大企業製造業の景況感が7四半期ぶり改善したようです。また、6月の貿易収支は12か月ぶりに430億円の黒字だったことなど経済環境は改善されそうな気配を感じます。
このように、経済が好転している中、リゾート会員権流通市場は、伸び悩み感のある市場となりました。
7月の取引件数は前月比で12.9%減となりました。
これは、100万円未満の会員権の取引件数が減少したことによるものです。特に顕著だったのは、サンメンバーズ・ワールドホリデーの商品が少なかったことで取引件数が減少したことです。
逆に、100万円以上の取引状況は順調でした。
今月、一番取引が多かった価格帯は、先月同様100万円未満の会員権だったのですが、全取引件数に占める割合は36%で、先月比では24ポイント減少しました。
減少した原因は前述したサンメンバーズ・ワールドホリデーとエクシブ交換グレードA(スタンダード)の取引件数が少なかったことによるものです。
一方、季節要因もあると思われるのですが、逗子マリーナの取引が順調に推移しました。
100万円以上300万円未満の会員権と300万円以上の会員権の取引占有率は32%で同率となりました。先月と同じ結果となっています。
初めに100万円以上300万円未満の会員権の取引は全てエクシブとなりました。取引状況ですが取引全体の占有率は12ポイント増えています。
内容を見ますと、エクシブ交換グレードEの会員権の取引件数が先月比で50%アップしました。先月このクラスの会員権の取引件数が少なかったことから、値下げされた例も多く、それが取引件数を増加させる要因となっています。
次に、300万円以上の会員権の取引状況ですが、割安感のある会員権中心に動きが見られ、取引件数が先月より50%増え、占有率も先月比で20%アップしました。
内訳を見ますと、エクシブSグレードの会員権の値下がりが取引件数を増加させたこと、及び、エクシブEグレードも安値の会員権が拾われたことが原因として考えられます。
2) 7月のリゾート会員権流通の特徴
7月は値下がりした会員権数が多いとなりました。
値下がり幅は比較的少なく、価格調整と見られる例が多かったと言えます。
一方、値上がりした会員権数は先月と比較して32%程少なくなっています
因って、市場全体として弱含みの市場となりました。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
7月 | 19件 | 48件 | 361ポイント | -3ポイント |
7月に値上がりした件数は19件でした。先月よりも9件少なくなっています。
値上がり件数が少なかった要因はエクシブの値上がり商品が少なかったことによるものです。
特に、先月値上がり件数の多かったエクシブSEグレードの会員権が今月は1件も値上がりしていません。
その他の会員権は先月とほぼ同じような値動きになっています。
7月に値下がりした件数は48件となり、前月比で3件多くなっています。
値下がり会員権が多かったのはエクシブ箱根離宮、有馬離宮、京都八瀬離宮となっています。
これらの会員権は他のエクシブよりも市場価格が高めだったことから、価格の調整が行われたものと思われます。そして、値下がりした会員権の多くが取引されています。
加えて、東急ハーヴェストクラブも値下がり傾向が出てきています。今月は市場に出ている会員権の20%が値下がりしています。
7月に最高値を更新した会員権は1件でした。
東急ハーヴェストクラブ有馬六彩で480万円から610万円へ値上がりしています
市場にあった480万円の会員権が取引されたことによる値上がりですが、取引実例とかけ離れた価格にまで値上げされたことになります。
7月に最安値を更新した会員権は4件です。
エクシブ鳴門Sタイプ(13泊)以外の会員権は市場に比較的新しく出てきた会員権です。従って、他の会員権との比較で徐々に価格の調整がなされる段階で、最安値を付けることがあります。今回、最安値を付けた会員権はこの事例にあたる値下がりです。