1) 4月のリゾート会員権取引状況

4月は北朝鮮問題等、政治的に不安定な月となりました。

経済的には、株価が今年の最安値を更新しましたが、日銀の見方は足元の景気は「緩やかな拡大に転じつつある」とし、「緩やかな回復基調」との認識を示しています。マイナス金利は維持していくようですので金融緩和状態は当分続きそうです。

リゾート会員権の流通市場は、3月のような活発な動きではなかったのですが、景気の下支えがあったのか、底堅く順調に取引が行われました。

4月の取引状況を見ますと、エクシブの取引が多く、しかも、どのエクシブも万遍なく取引が行われております。

その他では、サンメンバーズ・ワールドホリデーとオアシスクラブの取引件数が多い月となりました。両会員権ともに品不足の状況となっています。

取引された会員権価格を見ると、100万円未満の廉価な会員権の取引が安定的に行われています。

サンメンバーズ・ワールドホリデー、オアシスクラブの取引件数は多いのですが、エクシブの交換グレードAの会員権の取引は以前と比べて少なくなっています。

市場に出ている会員権が少なくなっていることもあるのでしょうが、サンメンバーズとの競合で取引件数が少なくなったと見ることもできます。

サンメンバーズは平日利用ができるリタイヤした層には、人気の会員権となっています。

100万円以上300万円未満の会員権の全取引に占める割合は先月と同じ割合となりました。

この価格帯の取引の殆どがエクシブとなっています。

交換グレードで言うならば、ラージとスィートがこの価格帯に属しています。

交換グレードラージの価格帯は100万円を切った会員権が結構あったのですが、最近の市場価格は100万円以上の会員権が多くなってきています。

結果として、この価格帯の層が厚くなっています。

最後に、300万円以上の会員権の殆どがエクシブの交換グレードSと東京ベイコート倶楽部となっています。

そして、エクシブのSグレード(13泊)の会員権は500万円切ると取引されていく状況が続いています。

全取引に占める割合も3月と比較すると6ポイント増加しています。

東急ハーヴェストクラブもVIALAシリーズは1000万円を超える会員権となっていますが、エクシブのSグレードと比較すると、エクシブに割安感があると考えられているのではないでしょうか。

2) 4月のリゾート会員権流通の特徴

4月は会員権価格の変動の多い月となりました。

特に、値下がりした会員権数が多く、昨年の11月以来の30件台となりました。

これは、東急ハーヴェストクラブに値下がり物件が多かったことが要因となっています。

値上り会員権数 値下り会員権数 指数 前月比較
4月 22件 30件 244ポイント -8ポイント

4月値上がりした件数は22件で先月より9件多くなりました。

値上がりした会員権を見てみると、今まで右肩下がりだったエクシブ箱根離宮の半数が値上がしています。エクシブ箱根離宮の市場価格は底値圏に来たと見ることもできます。

その他では、東京ベイコート倶楽部も強含みで市場が動きました。3月より値上がりしたにもかかわらず取引された例も出ています。

その他の会員権ではエクシブ山中湖も13泊タイプで半数近く値上がりしています。エクシブ山中湖全体に割安感があり、取引された安い商品が市場から消えた事によるものです。

値下がりした件数は30件となっています。

先月より5件ほど増えています。

値下がりした件数は多かったのですが、値下がり幅は少ないものでした。

特に、東急ハーヴェストクラブは値下がり件数が多かったのですが、例の如く価格調整程度の値下げとなっています。

値下がり幅が大きかった会員権は浜名湖EバージョンZ、東京ベイコート倶楽部13階で、高くなり過ぎた価格が元の価格まで値を下げた形になっています。

最安値を更新した会員権は6件ありました。

エクシブが4件、東京ベイコート倶楽部が1件、東急ハーヴェストクラブが1件となっています。

4月もエクシブ軽井沢パセオ1件が最安値を付けています。しばらくは、この状態が続くものと思われます。

一方、最高値を更新した会員権は1件でした。

東京ベイコート倶楽部7階で360万円から400万円への値上がりでした。

他の階のベイスィートと比較すると高くなり過ぎた感があります。

以上