1) 10月のリゾート会員権取引状況
10月は米中の貿易摩擦、米国のイラン経済制裁など不安定な経済環境となりました。
米国の株価が乱高下し、それに引きずられるように我国の株価も乱高下し不透明な株式市場になっています。
加えて、ガソリン価格の高騰で9月末より1ヵ月足らずでレギュラーガソリンが約20円/L程値上がりしました。この値上がりは車で旅行する人にとっては厄介な問題です。
このように、リゾート会員権市場を取り巻く環境が不透明であったこともあり、10月の市場の動きは従前のような活発さに欠けるところとなりました。
取引の状況を見てみますと、
エクシブの取引が全取引件数の74%となりました。先月比では4ポイントほど少なくなっています。エクシブの取引件数が減ったにも拘わらず70%以上の占有率があったのは、エクシブ以外の会員権の取引件数も伸びていないということになります。
次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番取引が多かった価格帯は先月同様100万円以下の会員権でした。全取引の63%となりました。先月よりも14ポイントも増加しています。
エクシブの100万円以下の会員権取引件数が堅調だったことによるものです。反面、エクシブ以外の100万円以下の商品の取引は少ない月となっています。
次に取引が多かったのが100万円以上300万円以下の会員権の取引でした。
全取引の20%がこの価格帯となっています。
以前はこの価格帯の取引にエクシブの交換グレードC(ラージ)も含まれていましたが、大方が100万円以下になってしまったことで、この価格帯の取引のほとんどがエクシブの交換グレードE(スィート)の会員権となっています。
最も少なかったのが300万円以上の会員権の取引でした。
この価格帯の会員権は人気のある商品が多いのですが、10月は取引件数が少なくなりました。
考えられる原因は、エクシブSグレードの商品が市場に少なくなっていること、そして、10月の株価が乱高下していたことも遠因として有ったのではないでしょうか。
2) 10月のリゾート会員権流通の特徴
10月の価格変動は値下がりした会員権数が多く、弱含みで推移した月となりました。
特に、東京ベイコート倶楽部(12泊)は半数以上の会員権が値下がりしました。
また、エクシブの交換グレードA(スタンダード)の会員権も弱含みの傾向が続いています。
※会員権市場価格指数は9月から計算方法を変更しています。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
10月 | 20件 | 35件 | 271.1ポイント | -22.8ポイント |
10月に値上がりした件数は20件となっており、先月より5件少なくなりました。
9月より値上がり件数が増えたのは東急ハーヴェストクラブのみとなっています。しかも、値上がりした会員権の多くが1000万円以上の商品となっています。
その他では、エクシブ有馬離宮の13泊タイプの会員権は4種類中2種類が値上がりしました。
安い商品が取引されていったことによるものです。
10月に値下がりした件数は35件となっています。
値下がり件数が今年初めて35件台に乗りました。
値下がりした会員権の74%がエクシブとなっています。これは、エクシブ交換グレードAの会員権が弱含みで推移したことによるものです。
また、東京ベイコート倶楽部の値下がり件数も多い月となっています。特にベイスィート(12泊)の値下がり会員権が、東京ベイコート倶楽部登録件数の半数を超えました。
最高値を更新したのは4件でした。
値上がりしたすべての会員権が1000万円超の商品でした。
東京ベイコート倶楽部19階(12泊)が900万円から1000万円へ、その他は全て東急ハーヴェストクラブ関係でした。東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢、熱海伊豆山、VIALA熱海伊豆山となっています。相変わらず東急ハーヴェストクラブ関係の値上がりが続いています。
一方、10月に最安値を更新した会員権は6件でした。
ダイヤモンド京都ソサエティを除いて、5件がエクシブとなっています。
値下がりした会員権の殆どが関西圏の商品で、その値下がり幅は微調整程度のものでした。