1) 3月のリゾート会員権取引状況
3月はトランプ大統領の鉄鋼、アルミの輸入制限から始まり、貿易戦争にまで発展してしまうのではないかという危惧から世界の株価が乱高下するということになりました。
一方、国内に於いては森友問題や防衛庁の隠ぺい体質が露見し、政治的には混迷を深めており、今後、どのような形で終息していくか分からない状態となっています。
リゾート会員権市場に目を向けると、3月は暖かくなるのと並行してお問い合わせが増えてきます。同時に取引件数も増加し夏場に向けて動いていく月となります。
しかし、今年の3月は政治・経済が上記の様に不透明な状況にあったことから、例年のような動きとはなりませんでした。
特に、株価の乱高下が消費者心理に影響が出たのではないかと推測します。
取引の状況を見てみますと、
エクシブの取引件数が少ない月となりました。
今年に入って全ての取引に占めるエクシブの割合が60%を超えていましたが、3月は8ポイント下がり55%に留まっています。この数字は昨年の9月以来のものとなります。
エクシブ以外の会員権で取引された商品は、「海」のリゾートに人気が出てきています。
次に、取引された会員権価格を見てみます。
一番取引が多かった価格帯は100万円以下の会員権でした。
取引内容を見ますと、エクシブとそれ以外の会員権の取引比率は半々となっています。
中でも、海に面したホテルの会員権が人気となっており、鴨川リゾートクラブジャイロやエンゼルメンバーズ南熱海などが複数取引されています。
次に取引の多かった価格帯は300万円以上の会員権でした。
2月はエクシブSグレード会員権で値ごろ感のある会員権が少なかったので取引件数が少なかったのですが、3月に値ごろ感のある商品が出てきたこと、東京ベイコート倶楽部も値ごろ感のある商品が多くなってきたことから取引数が増えた結果です。
最後に、100万円以上300万円以下の会員権は全取引の27%に留まり、占有率は一番少なくなりました。
先月比では24ポイントも下がりました。
エクシブの交換グレードC13泊の会員権で100万円を割った会員権に人気が出ており、100万円以上の同会員権の取引が少なかったことが原因と思われます。
この傾向は、来月も続くのではないかと推測しています。
2) 3月のリゾート会員権流通の特徴
3月は価格変動の多い月となりました。
値下がりの多かった会員権はエクシブで、値上がりの多かった会員権は東急ハーヴェストクラブということになりました。
ここまで東急ハーヴェストクラブの値が上がると、エクシブとの比較では、予約の取りやすさ、施設のグレード、サービスの質等を考えるとエクシブの方にかなりの割安感が出てきています。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
3月 | 27件 | 31件 | 237ポイント | ー10ポイント |
3月に値上がりした件数は27件となっており、先月より2件多くなっております。
値上がりした会員権を見てみますと、目立つのが東急ハーヴェストクラブです。市場に出ている会員権の半数以上が値上げされています。
また、先月取引の多かったエクシブ有馬離宮も値上がりしています。安い商品が市場から消えた事によるものです。
3月に値下がりした件数は31件あり、先月より5件多くなっています。
値下がりが多かったのはエクシブの交換グレードAの会員権でした。
エクシブの同じ交換グレード内での価格調整によるものです。
3月は東京ベイコート倶楽部の取引が多かったのですが、これは、値ごろ感のある価格まで値下がりしたことによるものです。
最高値を更新したのは5件あり、先月と比較して1件少なくなりました。
最高値を更新した会員権の全てが東急ハーヴェストクラブ(VIALAを含め)でした。
しかも、値上げが5万円から25万円の範囲内でした。価格調整の感があります。
中でも、3か月連続で更新したのが熱海伊豆山で920万円となっています。
このホテルの客室は37㎡~63㎡です。因みに、下記のエクシブ箱根離宮CBタイプの客室は55㎡~103㎡です。
一方、3月に最安値を更新した会員権は1件でした。
エクシブ箱根離宮CB(13泊)でした。
価格は90万円となっており、他のエクシブCグレードの価格帯に近づいてきました。