1)10月のリゾート会員権取引状況

新型コロナの感染拡大がヨーロッパ、アメリカなど止まらない状態が続いています。
我国においても、終息はおろか感染拡大の兆候さえ見えてきています。
夫々の国に於いて、コロナ感染防止と経済活動の確保とのせめぎ合いが当分続きそうです。

リゾート会員権流通市場は、GoToトラベルキャンペーンにより、活発な動きを見せています。リゾートクラブのほとんどがGoToトラベルキャンペーンへ参加しているので、クラブの施設をより安く利用できるという事が流通市場に好影響を与えているようです。
実際、市場における取引件数は昨年同月比で2.05倍となっています。また、当社におけるお問合せ件数も昨年同月比で約2倍になっています。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
10月に一番取引が多かった価格帯は前月に引き続き100万円未満の会員権でした。
先月同様、全取引中50%がこの価格帯となっています。
エクシブの関東圏交換グレードAの会員権とサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が多かったことによるものです。
会員権価格と同様にランニングコストも廉価なものに人気が集まった感があります。

次に多かった取引の価格帯は、100万円以上300万円未満の会員権となっています。
取引された会員権はエクシブのラージタイプの26泊、京都八瀬離宮の13泊の会員権が取引されたこと、エクシブ離宮シリーズのECタイプ(13泊)が複数取引された結果によるものです。
エクシブでラージタイプからのランクアップと言うニーズも出てきています。

最後に、300万円以上の会員権の取引は全体の中で23%と少なくなっています。
相変わらず人気のあるエクシブSグレードへの問い合わせは多いのですが、商品が少ない事で取引件数が伸びていません。
一方、東京ベイコート倶楽部は多くの取引がありました。特に、ベイスィートの300万円~350万円の価格帯の会員権は活発に取引が行われています。

 

2) 10月のリゾート会員権流通の特徴

  10月の市場価格の値動き物件件数としては平均的な数字となっています。
内容を見てみますと、2極化した値動きとなりました。即ち、値下がりした会員権は低額物件に多く、一方、値上がりした会員権は高額物件に多い月となっています。因って、会員権の平均単価も値上がりしています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
10月 28件 26件 257ポイント +8ポイント

10月に値上がりした件数は28件でした。
値上がりした会員権を見ますと、高額な会員権が多く、特に東京ベイコート倶楽部の値上がりが目につきます。9月に多くの取引が行われたことによる値上がりでした。
また、低額商品の代表的な会員権のサンメンバーズ・ワールドホリデーも取引件数が多かったことで、品薄状態が続いており会員権価格も強含みで推移しています。

10月に値下がりした件数は26件でした。先月より4件多くなっています。
値下り商品が多かったのはエクシブの交換グレードAの会員権と東急ハーヴェストクラブでした。
エクシブの交換グレードAで値下がりしたのは、今まで高めに出ていた会員権が同じ交換グレードの会員権と価格調整がなされたためです。一方、東急ハーヴェストクラブは値上がり一辺倒だった会員権価格が高くなりすぎた結果の値下げではないかと思われます。

10月に最高値を更新した会員権は1件となっています。
東急ハーヴェストクラブVIALA京都鷹峯で1190万円から5万円値上げされ1195万円になりました。相変わらず5万円の値上げとなっています。

一方、10月に安値を更新した会員権は2件でした。
先月と比較すると7件少なくなっています。
2件ともエクシブで交換グレードAの会員権でした。
他の交換グレードAの会員権より高めに出ていた会員権価格が調整された結果、最安値となった例でした。