1)7月のリゾート会員権取引状況
新型コロナウィルス感染症の勢いが止まらず、7月末には東京都で463名の感染者を出しました。一方、経済対策としてのgo-toキャンペーンが7月22日よりスタートしました。
この二律背反の状況を、どのように理解し対応すれば良いのでしょうか。
このような難局にある中、7月の日経平均株価は続伸しました。6月末と比較すると約245円高となっています。
リゾート会員権流通市場は、上記の株価の影響があったのか活発な市場となりました。
取引件数を昨年同月と比較すると9%増加しています。
少なくとも、リゾート会員権の流通市場はコロナの影響は殆どない月だったという事ができます。
因みに、当社における問い合わせ件数を昨年同月と比較すると約26%多くなっています。
リゾートクラブの多くがgo-toキャンペーンの参加事業者となっているので、そのメリットを享受できるということもあると思われます。
次に、取引された会員権価格を見てみます。
7月に一番取引が多かった価格帯は前月に引き続き100万円未満の会員権でした。
全取引中60%がこの価格帯の取引となっていますが、前月と比較すると8ポイント多くなっています。
7月の特徴は、エクシブの交換グレードA(スタンダード)の取引が増えてきたこと、サンメンバーズ、逗子マリーナオーナーズの取引件数が多かったことが挙げられます。
低価格の商品であることから、短期に結論出しをされる事例が多くみられました。
次に多かった取引の価格帯は、100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引の13%がこの価格帯の会員権となっています。
内容はエクシブの交換グレードE(スィート)と東京ベイコート倶楽部のベイスィートとなっています。
特に、東京ベイコート倶楽部のベイスィートの低層階は300万円未満の取引価格が多くなってきています。
最後に、300万円以上の会員権の取引は全体の中で11%となっています。
今月はエクシブのスーパースィートの取引件数が少ない月となりました。値ごろ感のある会員権が市場に少なくなっていることがその原因です。
それに対して、東京ベイコート倶楽部の取引件数が多い月となりました。ほとんどが、ロイヤルスィートタイプとなっています。
2) 7月のリゾート会員権流通の特徴
月の流通市場が活発だったこともあり、市場価格の動きも出てきています。
取引件数が多くなると市場価格も動くので、7月は値動きの多い月となりました。
また、東急ハーヴェストクラブの値動きも多くなっています。価格の調整が行われているようです。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
7月 | 27件 | 25件 | 248ポイント | +8ポイント |
7月に値上がりした件数は27件でした。
値上がりした会員権を見ますと、27件中16件がエクシブとなっています。
関東圏にあるエクシブに値上がりしたものが多く出ています。取引された会員権が多かったことによるものと思われます。
値上げされることが多かった東急ハーヴェストクラブですが、7月は1件もありませんでした。
7月に値下がりした件数は25件でした。
値下り物件が多かったのは東急ハーヴェストクラブと東京ベイコート倶楽部のベイスィートでした。東急ハーヴェストクラブの値下りは熱海伊豆山を除いて、全て5万円の値下りになっています。
しかも、殆どが2か月連続で値下りしています。それでも、エクシブと比較すると高止まりの状態が続いています。
7月に最高値を更新した会員権はありませんでした。
東急ハーヴェストクラブ那須Retreatは、売り登録がないにも拘わらず920万円から10万円値上がりして最高値を更新しています。しかし、ネットの仲介物件欄に掲出されている930万円という価格で売却希望があるわけではなく、実はこの価格は購入希望登録を募って受付しておくための価格のようです。従って、流通価格の最高値更新とは言い難いでしょう。
一方、7月に安値を更新した会員権は4件でした。
全てが、エクシブとなっています。
エクシブ白浜Aタイプ(26泊)が10万円を切った価格(9万円)で最安値を更新したのですが、さすがにこの価格になったところで取引されていきました。
その他のエクシブはラージタイプの会員権で価格調整とみられる値下りでした。