1)8月のリゾート会員権取引状況

新型コロナウィルス新規感染件数が8月第2週を境に減少傾向に入っています。
この減少を踏まえて、コロナ禍における「ニューノーマル」と言う新しい価値観に基づいた生活様式が定着化してくるものと想定されます。
そのような生活様式の変化が訪れるならば、「リゾート会員権」も新たな存在価値をイメージし、且つ、この変化に対応していくことになるのではないでしょうか。

リゾート会員権流通市場は、7月以上に活発な動きを見せています。
当社における購入希望の問い合わせ件数は7月との比較で11.6%UP、昨年同月比で45%UPとなっています。また、業者の全取引件数を昨年同月と比較すると62%増加しています。
斯様なリゾート会員権流通市場の動きは、コロナ禍の中で、新しい生活様式に合った生活アイテムとしてリゾート会員権が評価された結果と見る事が出来ます。

次に、取引された会員権価格を見てみます。
8月に一番取引が多かった価格帯は前月に引き続き100万円未満の会員権でした。
全取引中67%となっており、先月と比較すると7ポイント増加しています。
この価格帯の取引が多くなっているのは、
・エクシブのAグレードの会員権取引件数が堅調であること、
・エクシブ以外の会員権の取引件数が増加していること
によるものです。
また、サンメンバーズ、逗子マリーナの取引件数も堅調に推移しています。

次に多かった取引の価格帯は、先月同様100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引の23%がこの価格帯の会員権となっています。
取引された会員権は先月同様、エクシブの交換グレードE(スィート)と東京ベイコート倶楽部のベイスィートとなっています。中でも、エクシブの交換グレードE(スィート)の人気が高くなってきており、先月の倍の取引件数を数えました。

最後に、300万円以上の会員権の取引は全体の中で10%と低調な結果となりました。
この価格帯の殆どがエクシブのスーパースィートとなっています。そして、市場に出ている商品の半数近くは取引されていますが、如何せん、市場に出ている商品が少ないので、取引件数も少なくなっています。一方、東京ベイコート倶楽部ロイヤルスィートは先月値ごろ感のある会員権が取引されたこともあり、今月の取引はありませんでした。

 

2) 8月のリゾート会員権流通の特徴

 8月の市場価格は7月の取引件数が増加したことで動きの多い市場となりました。
従前ですと、値上がり商品は東急ハーヴェストクラブ、値下り商品はエクシブと言う図式でしたが、8月はエクシブと東京ベイコート倶楽部の値上がり件数が多く、一方、東急ハーヴェストクラブは値下り件数の多い月となりました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
8月 38件 22件 245ポイント -3ポイント

8月に値上がりした件数は38件でした。
値上がりした会員権を見ますと、38件中33件がエクシブと東京ベイコート倶楽部となっています。中でも、弱含みで価格が動いていたエクシブの交換グレードA(スタンダード)に値上がりする商品が出てきています。此処において、底値圏が見えてきた感がします。
一方、東急ハーヴェストクラブで値上がりした件数は3件に留まっています。今年の3月まで続いていた値上がり基調は姿を消しています。

8月に値下がりした件数は27件でした。
値下り物件が多かったのは東急ハーヴェストクラブでした。市場に出ている23件中8件が値下りしています。
これは、東急ハーヴェストクラブの会員権が市場に多くではじめてきたことで、高止まりしていた会員権がやっと市場原理で動く可能性が見えてきました。市場価格が需給バランスで推移するならば、もっと活発な取引が行われるようになることでしょう。
その他の会員権で値下り傾向があったのがエクシブ軽井沢でしたが、価格の調整程度の値下りとなっています。

8月に最高値を更新した会員権は1件となっています。
東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山が1,770万円から1,780万円へ値上げされています。

一方、8月に安値を更新した会員権は3件でした。
エクシブ鳥羽Aタイプ(13泊)が20万円から17万円への値下げです。価格の調整と見られます。他は東急ハーヴェストクラブ軽井沢とVIALA軽井沢の2件です。この2物件は比較的新しく市場に出てきたことから、今後も価格調整の動きがありそうです。