1)6月のリゾート会員権取引状況
6月も緊急事態宣言が22日まで発出されました。しかし、感染数は下げ止まり、宣言の効果が認められなくなっています。緊急事態宣言だけでは感染者数を減らすことができない状態になってきています。
リゾート会員権市場は、活発な動きを見せています。
リゾートクラブの閉鎖性がコロナ禍に於いてその商品性を高めているのではないかと推察されます。
加えて、金余り現象と長期の緊急事態宣言によるストレス解消の消費の捌け口として耐久消費財がクローズアップされています。
中でも、リゾート会員権は「癒し商品」としての価値が再認識されているのではないでしょうか。
6月のリゾート会員権流通市場は底堅い動きとなっています。
取引件数に関して前年同月と比較して僅か(約1.7%)ですが上回っています。
緊急事態宣言が発出されている中でも取引件数は減少することなく推移しています。
取引された会員権としてはエクシブの取引が堅調でした。全取引に占めるエクシブの割合は70%を超えています。
次に、取引された会員権価格を見てみます。
6月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。この価格帯に占める割合は5月には全取引中49%でしたが、6月は40%へと大幅に下がりました。
内容は、エクシブの交換グレードA の取引件数は今年になって一番多くなりましたが、サンメンバーズ・ワールドホリデーやその他の会員権の取引件数が少なかったことでこのような数字になりました。
次に多かったのは、300万円以上の会員権となりました。全体の取引件数の32%となっています。
30%以上になったのは2018年5月以来となります。
高額商品は人気の高い会員権でしたが、市場に商品が少ないことから取引件数も少なかったのですが、先月から市場に商品が出てきたこともあり、高額商品市場に勢いがついた結果取引件数も増加したものと思われます。
最後に、最も取引が少なかったのは100万円以上300万円未満の会員権でした。先月より取引件数は増加したことで占有率は先月より1ポイントアップしました。
エクシブのラージグレードが値上がりして、100万円を超える取引事例が多くなったことに因るものです。この傾向は暫く続くものと思われます。
2) 6月のリゾート会員権流通の特徴
6月の市場も値上がり物件の多い月となりました。
購入希望の問い合わせが堅調な動きを見せていることもあり、市場全体も強含みの市場となっています。
しかも、値上がりした会員権の半数が300万円以上の高額物件となっています。
このようなことから、市場に出ている会員権の平均単価も上昇しました。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
6月 | 32件 | 21件 | 302ポイント | +19ポイント |
6月に値上がりした件数は32件でした。先月より2件少なくなっています。
高額商品の取引が堅調であったこともあり、高額商品の値上がり件数の多い月となっています。
更に、エクシブのラージタイプの値上がり件数も多くなっています。その多くが100万円以下の商品でしたが、今月は100万円を超える商品が増えています。
従って、100万円以下の会員権に割安感が出てきていると言うことができるのではないでしょうか。
6月に値下がりした件数は21件でした。先月より3件多くなりました。
値下りした会員権は価格調整の為の値下げと見られます。
しかし、先月値下がりした東京ベイコート倶楽部ベイスィートの値下り物件は1件もありませんでした。先月中に価格の調整が終わったと見る事ができます。
6月に最高値を更新した会員権は6件となっています。
全て高額物件となっています。
エクシブ軽井沢サンクチュアリ(13泊)、エクシブ箱根離宮S タイプ(13泊)、東京ベイコート倶楽部16階(12泊)。東急ハーヴェストクラブ箱根翡翠、VIALA 熱海伊豆山、VIALA 有馬がそれぞれ最高値を更新しています。
留意点としては、先日の熱海伊豆山の土砂災害が東急ハーヴェストクラブVIALA 熱海伊豆山の価格に影響を与えはしないかと言うことです。
一方、6月に最安値を更新した会員権は1件のみでした。
エクシブ山中湖D タイプ(13泊)が12万円から11万円への値下りでした。