1)9月のリゾート会員権取引状況
9月中旬にワクチン接種2回終了した人が50%に達し、コロナ感染の5波は山を越え緊急事態宣言も9月末に解除となりました。
一方、株式市況は9月初めには日経平均が5ヶ月ぶりに3万円台を回復したかと思えば、中国恒大集団の資金繰り不安やアメリカFRBのテーパーリング懸念等からアメリカ株が値下がりし、日本株もその影響を受け9月末には3万円台割れとなってしまいました。
リゾート会員権市場は緊急事態宣言解除への期待感から、問い合わせ件数、取引件数ともに堅調に推移した月となっています。
市場に活力があることに歩調を合わせるかのように市場価格も強含みとなり、売り手市場となっている会員権が多くみられるようになっています。
次に、取引された会員権価格を見てみます。
9月に一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引中46%で先月と同数となっています。
この価格帯のエクシブは交換グレードA(スタンダード)が多いのですが、今年に入り市場価格が徐々に値上がりしたことで取引件数も少なくなってきています。反面、エクシブも利用できるサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が多くなった月となりました。
また、逗子マリーナオーナーズや鴨川リゾートクラブジャイロも取引されたことで、この価格帯の占有率を確保した形になっています。
次に多かったのは300万円以上の会員権で、占有率は全体の32%で、先月と比較して1ポイント増えています。
内容を見ますと、エクシブのSグレード(スーパースィート)は相変わらず品薄状態が続いていますが、市場に出てくれば殆ど取引されているという状態になっています。加えて東京ベイコート倶楽部の取引も堅調に推移していることから一定の占有率が確保されています。
最後に最も取引が少なかったのが100万円以上300万円未満の会員権で、全体の22%でした。先月よりも1ポイントダウンしています。
理由は、この価格帯を占めるエクシブのCグレード(ラージ)が値上がりしたことで取引件数が減少したからです。一方、東急ハーヴェストクラブが値上がりしすぎて、取引件数が減少気味だったのですが、値下げされた会員権も出てきており、問い合わせも増え且つ取引された会員権も出てきました。
2) 9月のリゾート会員権流通の特徴
9月の市場は今年に入って、最も価格変動の多い月となりました。
特に、値上がりした会員権は初めて50件となりました。
値上がりした会員権の多くが300万円超の商品で、東京ベイコート倶楽部に至ってはロイヤルスィートの77%が値上がりしています。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
9月 | 50件 | 17件 | 377ポイント | +52ポイント |
9月に値上がりした件数は50件で、先月から20ポイント上昇しました。
今月の値上がり商品は300万円以上が全体の52%と半数以上を占めました。その内の42%が東京ベイコート倶楽部となっています。
その他では東急ハーヴェストクラブも値上がりしています。その値上がりがVIALAシリーズに多いのですが、VIALAシリーズの今後の市場価格はエクシブのスィートクラスと比較されるのではないかと思われます。
9月に値下がりした件数は17件でした。先月より5件多くなっています。
先月に引き続き、値下りした会員権数は比較的少なくなっています。そして、値下がりした会員権の多くが取引されていることから、値下がりした会員権は底値圏にきたと見る事ができそうです。
9月に最高値を更新した会員権は12件で、先月よりも5件多くなっています。
12件中5件が東急ハーヴェストクラブ(VIALAを含む)となっています。先月同様、値上がりした会員権の殆どが比較的新しい会員権ですが、建築年数の古い会員権である勝浦が2か月連続で最高値をつけています。最高値を2ヶ月連続する理由は不明です。
東京ベイコート倶楽部も5件最高値を付けています。内、ロイヤルスィートが4件でした。
相変わらず人気の東京ベイコート倶楽部となっています。
一方、9月に最安値を更新した会員権は8月同様1件のみでした。
エクシブ琵琶湖Bタイプ(26泊)となっています。エクシブ交換グレードAの会員権価格は持ち直しつつあると思われたのですが、最安値更新の商品が出ました。この会員権は年間維持費が高いことで敬遠されたのかもしれません。