1)9月のリゾート会員権取引状況 

 9月に入ってもウクライナ情勢は未だ混沌としています。加えて、インフレが進む中で、各国の金利引き上げにより、株価や為替相場に影響が出ています。
このように、9月は政治経済環境が不透明な状態で推移しました。

9月のリゾート会員権市場は上記のような政治経済環境の中でも、底堅い動きを見せています。
例年8、9月はお問い合わせが多い月となっており、今年も例年通り多い月となりました。
8月からの行動規制緩和による効果がリゾート会員権市場にも良い効果が出ているものと思われます。
ただし、例年に比べて、お問い合わせの内容に具体的なものが少ないように感じられます。

9月の取引状況を見てみます。
今月は、一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は39%で、先月より13ポイント増加しました。
内訳をみてみますと、エクシブの取引件数は先月と同数でしたが、サンメンバーズワールドホリデ-の取引件数が多かったことで占有率が上がりましたが、先月取引の多かった逗子マリーナは件数を減らしています。季節要因かもしれません。

次に取引が多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権で、全取引件数における占有率は37%となっております。先月よりも7ポイント減少しています。
これは、先月、最も取引件数の多かったエクシブ交換グレード E の取引件数が大幅に減少したことによるものです。反面、エクシブ交換グレードCの取引件数が先月より増えたことで、占有率37%が確保されました。エクシブ交換グレードCタイプの会員権は、買い易い価格帯になっていると思われます。

最後に、最も取引が少なかったのは300万円以上の会員権で、全体の占有率は24%となっております。占有率の数字としては先月より6ポイント減少しました。
これは、エクシブ S グレードの会員権、および、東京ベイコート倶楽部の取引件数が減少したことによるものです。特に、東京ベイコート倶楽部は9月に市場に出ている会員権の約半数が値上がりしたことにより、消費者が様子を見ているのではないかと思われほど、取引件数が減少しております。

 

2) 9月のリゾート会員権流通の特徴

 9月の価格変動数は売り買いともに多い月となりました。
中でも値上がり件数は5か月ぶりに40件の大台に乗りました。
特に、8月に東京ベイコート倶楽部の取引件数が多かったことで、8月に取引された会員権の多くが値上がりしています。因って、10月の取引状況が気になるところです。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
9月 41件 37件 380ポイント 13ポイント
 9月に値上がりした件数は41件でした。
前述した通り、東京ベイコート俱楽部の値上がりが目立つ月となりました。
東京ベイコート俱楽部のロイヤルスィートは全て1,000万円以上となっています。
その他で、値上がりしている会員権は東急ハーヴェストクラブです。売り登録はないのですが、値上げして購入者を募集しているようです。

 9月に値下がりした件数も37件でした。先月よりも5件増えています。
エクシブで値下がりした会員権が多かったのは交換グレードC(ラージ)でした。この交換グレードC(ラージ)の会員権は値下がり件数が多かったこともあり、取引件数もまた多くなりました。
一方、値下がり件数の多かったエクシブ交換グレード A(スタンダード)の会員権は、値下がり件数が減少してきています。

 9月に最高値を更新した会員権は6件でした。先月と同数となっています。
東急ハーヴェストクラブが5件、東京ベイコート俱楽部が1件となっています。
東急ハーヴェストクラブで最高値を付けた会員権は、全て売り登録がない価格での購入者募集となっています。
特に、東急ハーヴェストクラブVIALA熱海伊豆山は2,750万円まで値上げされています。2022年1月から500万円も値上げとなっているので、投機的な商品と思えるほどの値上がり率となっています。

 9月に最安値を更新した会員権は3件で、全て、エクシブとなっています。
エクシブ湯河原離宮が2件、エクシブ鳥羽別邸CBタイプ(13泊)が145万円から140万円へ値下がりしています。両会員権とも名義変更が開始されてから年月があまり経ていない会員権です。