1)10月のリゾート会員権取引状況
ハマスが10月7日にイスラエルに侵攻し、イスラエルと戦争状態になりました。この戦争による政治経済の不透明感が、リゾート会員権市場へ少なからず影響を与えるのではないかと危惧します。
一方、円安状況は続いていますが、大企業製造業の景況感が2期連続で改善しているというポジブルなニュースもあります。
今月のリゾート会員権市場は、コロナ5類への移行に伴う影響が続いており、活発な動きを見せています。
加えて、インバウンドと無縁のリゾートクラブですが、だからこそメンバー制クラブに存在価値があるということで需要が見込まれます。
10月、取引が一番多かった価格帯は、先月同様100万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合は42%で、先月比で2ポイント少なくなっています。
この減少はエクシブのCグレードの取引件数が半減したことに由るものです。
一方、オアシスクラブや鴨川リゾートクラブジャイロは安定的に取引が行われていることや、ダイヤモンドオーナーズクラブも複数取引が行われるなどで2ポイントの減少で収まった形です。
次に多かった価格帯は300万円以上の会員権となりました。
そして、全取引件数に占める割合は32%で、先月より1ポイント増えました。
エクシブSグレードの値下がり件数が多かったことで、今月はエクシブSグレードの取引件数が倍増しています。一方、エクシブのSEグレードの取引件数は減少しました。先月の反動かもしれません。
東京ベイコート倶楽部の取引件数は先月と同数でしたが、値上がり件数が多かったことから、来月の取引件数が気になるところです。
最後は100万円以上300万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は25%で先月と同数となりました。
先月エクシブ交換グレードC(ラージ)の取引が少なかったのですが、今月は先月比で1.2倍ほど増加しています。一方、エクシブ交換グレードE(スィート)の取引件数は減少しています。この減少は、関西圏におけるエクシブ交換グレードE(スィート)の品薄によるものと思われます。
2) 10月のリゾート会員権流通の特徴
今月の流通市場は値下がり商品の多い月となりました。値下がり件数が7か月ぶりに50件を超えています。
特に、値上がり傾向強かった東急ハーヴェストクラブは全体の31%が値下がりしています。
一方、値上がりした会員権が多かったのが東京ベイコート倶楽部で17件中7件(41%)が値上がりしました。因みに、東急ハーヴェストクラブの値上がり件数は1件に留まりました。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
10月 | 25件 | 52件 | 348ポイント | -18ポイント |
10月に値上がりした件数は25件で、先月よりも4件少なくなりました。
値上がり傾向が見られたのは、前述した通り東京ベイコート倶楽部でした。9月と比較して価格が6%の値上がりとなっています。中でも上層階の会員権の値上がりが目立っています。
その他の会員権ではエクシブの離宮シリーズに値上がり件数が多い月となりました。同じ交換グレードのエクシブと比較して、割安感があったので価格の調整値上がりという事かもしれません。
10月に値下がりした件数は52件で先月よりも21件多くなっています。
先月値下がり件数の多かったのはエクシブ交換グレードA、エクシブ交換グレードSの会員権及び、東急ハーヴェストクラブとなっています。
グループ別に値下がり件数を見てみますと、関東圏のエクシブが前月比89%、東急ハーヴェストクラブが96%となっており、東急ハーヴェストクラブが弱含みへのトレンドに移行するか注視したいところです。
10月に最高値を更新した会員権は2件でした。
エクシブ六甲Sタイプ(26泊)1,100万円から1,400万円、東急ハーヴェストクラブ有馬六彩610万円から630万円への値上がりです。
エクシブ六甲は市場に出てきて間がないので、価格変動が出てくる時期と言えます。
10月に最安値を更新した会員権は4件です。
エクシブ鳥羽別邸Sタイプ(13泊)、エクシブ六甲(13泊)。芦屋ベイコートロイヤルスウィート24泊と12泊が最安値を更新しています。
すべてが高額物件の値下がりとなっています。