1)10月のリゾート会員権取引状況
今年の10月は9月の自民党の総裁選を受け、衆議院選挙で終わった感のある1か月でした。
与党の過半数割れという結果となり、新しい政治の流れが出てきそうな気配がします。
10月のリゾート会員権流通市場は9月に引き続き動きのある市場となりました。
低価格帯の会員権と高額な会員権の値下がり件数が多く、値ごろ感のある会員権が市場に出てきたことが要因と思われます
加えて、10月の日経平均株価が、アメリカ経済がソフトランディングするのではないかという期待や円安傾向が見られたこと等から1161円の値上がりとなったことも背景にはあるのではないかと推察します。
10月に取引が一番多かった価格帯は100万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は37%となっています。先月より4ポイント増加しました。
エクシブ交換グレードC(13泊)の会員権で100万円以下の登録が増えてきており、割安感のある会員権の取引件数が多くなってきた結果です。
サンメンバーズ・ワールドホリデー、鴨川リゾートクラブジャイロ、逗子マリーナオーナーズなどの会員権も安定的に取引されています。
次に多かった価格帯は300万円以上の会員権でした。
全取引件数に占める割合は33%で、先月より3ポイント増加しました。
ベイコート倶楽部が安定的に取引されていることに加えて、10月はエクシブのSグレードとSEグレードの会員権の取引件数が増加した結果です。
両グレードの値下がり物件数が多かったことで、値ごろ感の出た会員権が取引されています。
最後は価格帯が100万円以上300万円未満の会員権となっています。
10月の取引件数は全取引に占める割合が30%で、先月より7ポイント減少しました。
全体の取引件数が先月よりも増加しているので、この価格帯の取引件数だけが減少したことで、取引件数の占有率も下がってしまっています。
先月は取引件数が一番多かったのですが、今月は先月の反動が出て取引件数が減少したものと思われます。
2) 10月のリゾート会員権流通の特徴
10月の市場価格の動きですが、値上がり件数は9月とほぼ同数でしたが、値下がり件数が50件を超える市場となりました。
値下がり件数が増えたにも拘わらず、会員権の平均価格は先月比で3ポイント値上がりしています。原因として、値上がり会員権の中で値上がり幅の大きい会員権があったことに因るものです。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
10月 | 28件 | 56件 | 336ポイント | 3ポイント |
10月に値上がりした件数は28件で、先月よりも1件少なくなりました。
東京ベイコート倶楽部やエクシブ交換グレードCの会員権の値上がり件数は増えましたが、これ以外のエクシブの値上がり件数が半減したことで、全体として9月より値上がり件数が少なくなりました。
10月に値下がりした件数は56件で先月より23件多くなりました。
特に値下がりした件数が増加したのはエクシブの300万円以上の会員権となっており、先月比で約3倍となっています。
その値下がり幅は小さいものが多かったのですが、値下がりしたという事で取引件数は増加しましました。その結果として、市場全体が動きのあるものとなっています。
10月に最高値を更新した会員権は3件でした。
エクシブ有馬離宮Sタイプ(26泊)が1280万円から1600万円へ、東京ベイコート倶楽部11階(12泊)が440万円から450万円へ、東急ハーヴェストクラブ那須が745万円から750万円へ値上がりしています。特に東急ハーヴェストクラブ那須は4か月連続で最高値を更新しています。これで、年初より65万円の値上がりとなります。この会員権が750万円で売却できるならば、9.4%以上の利回りとなります。
10月に最安値を更新した会員権は5件でした。先月より2件多くなりました。
XIV鳥羽別邸SEタイプ(13泊)450万円から430万円、淡路島EVタイプ(13泊+バージョン券10枚)80万円から60万円、芦屋ベイスイート12泊290万円から280万円、ラグーナベイスイート24泊690万円から600万円、ラグーナラグジュアリスイート24泊680万円から600万円へ其々値下がりしています。
芦屋及びラグーナベイコート倶楽部の24泊タイプは市場に出てくるのが遅かったので、10月になって価格の調整が行われた結果と思われます。