1)5月のリゾート会員権取引状況
5月の為替相場が徐々に円安に向かうに従い、この円安効果により海外旅行よりも国内旅行という傾向が強くなっています。
この円安による海外旅行の需要が減り、国内リゾートへ回帰することで、リゾート会員権への需要も高まることが期待されます。
一方、4月に行われた賃上げ効果は、円安などによる値上げで消費増加に結びついていません。
そこで、リゾートクラブの利用料金が一般のホテルと比較して割安感があることから、物価高への緩衝材として会員権の需要が見込まれます。
5月のリゾート会員権市場も順調に取引が行われました。
取引件数は昨年同月比で1.15倍となっています。
円安や株高の影響があったことや今年になって新たに市場に出てきた会員権の取引が活発であったことなどが要因と考えられます。
5月に取引が一番多かった価格帯は100万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は39%となっています。先月より9ポイント増加しました。
サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が安定していること、エクシブ交換グレードC(ラージ)で100万円以下の会員権の取引件数が多かったことが原因となっています。
上記以外の会員権の取引件数は少ない月でした。
次に多かった価格帯は300万円以上の会員権となっています。
先月は全取引の47%を占めましたが、今月は32%に留まりました。先月より12ポイントも減少しています。
ベイコート倶楽部の取引は活発な動きを見せたのですが、エクシブ交換グレードS(スーパースィート)の取引件数が前月比25%まで減少しました。これは、先月取引件数が多かったので、割安感のある会員権が市場から消えたことによるものです。
一方、ベイコート俱楽部の取引は堅調で、しかも、3つのベイコートが満遍なく取引されています。
最後は100万円以上300万円未満の会員権ですが、全取引件数に占める割合が29%となり、先月比で6ポイント増加しています。
今月はエクシブ交換グレードE(スィート)の値下がり商品が多かったことから、取引件数も多い月となりました。
中でも、エクシブ山中湖、初島は複数取引されています。両会員権に割安感のある商品が市場に出ていたからです。
加えて、ラグーナベイコート俱楽部のベイスィートの会員権が300万円割れになった会員権が出てきて、取引されたことも占有率を高めた要因となっています。
2) 5月のリゾート会員権流通の特徴
5月の市場価格の変動は売り買いともに前月より減少しています。
値下がりした会員権の多くが価格の調整程度のものになっています。
一方、値上がりした会員権はベイコート倶楽部と東急ハーヴェストクラブに多く見られました。
しかも、値上がりは高額物件に多く見られました。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
5月 | 26件 | 41件 | 350ポイント | 7ポイント |
5月に値上がりした件数は26件で、先月よりも4 件少なくなりました。
内訳を見ますと、エクシブの値上がり件数が先月より9件少なくなっている一方で、東急ハーヴェストクラブは値上げされた会員権は先月より4件多くなっています。
また、価格で見ますと前述の通り高額商品に多く、300万円以上の会員権の値上がりが、先月より5件多くなっています。
5月に値下がりした件数は41件で先月より5件少なくなっています。
値下がりした会員権を見ますと、エクシブ交換グレードE(スィート)が多く、先月との比較では2.6倍増加しました。結果として取引件数も増え、先月よりも1.5倍の取引がなされています。その他ではラグーナベイコート俱楽部12泊分の会員権の市場価格が全て値下がりしています。
5月に最高値を更新した会員権は3件でした。
しかも、すべてが東急ハーヴェストクラブ関係の会員権です。
5月に最安値を更新した会員権は7件でした。
エクシブが3件、芦屋ベイコート俱楽部とラグーナベイコート俱楽部が3件、グランリゾートプリンセス富士河口湖となっています。
ラグーナベイコート俱楽部の値下がり幅が少なくなってきたので、市場に落ち着きが出てきており今後、最安値の更新数は少なくなるでしょう。