1)6月のリゾート会員権取引状況

 6月も円安傾向が続いており、2か月ぶりに1 ドル160円台まで下落しました。
円安による影響を転嫁できるか否かは、経済的活動上に影を落とすことになります。
リゾート会員権市場への円安の影響は、メリットとデメリットが相半ばしているので、現在のところ、特に変化は認められていません。
契約件数を昨年同月と比較すると3.7%減少していますが、この程度の差では円安の影響があったとは言えないでしょう。
一方、株価の高騰により家計の金融資産が膨らんでおり、リゾート会員権市場にこの影響が出てくることを期待しています。

6月に取引が一番多かった価格帯は100万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は40%となっています。先月より1ポイント増加しました。
エクシブの交換グレードC(ラージ)で100万円以下の会員権の取引が堅調でした。施設の内容、サービスの質から割安感があると評価されているものと思われます。
一方、エクシブ交換グレードA(スタンダード)の会員権も底堅く取引されています。前述の交換グレードC より半値以下で購入できるという事で流通性がある会員権となっています。
今月もサンメンバーズ・ワールドホリデーの人気が高く、品薄状態が続いています。
この価格帯で今月は逗子マリーナオーナーズの取引件数が増加しました。季節要因かと思われます。

次に多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権ですが、全取引件数に占める割合が33%となり、先月比で4ポイント増加しています。
今月もエクシブ交換グレードE(スィート)の会員権がこの価格帯の多くを占めていますが、エクシブ以外でラグーナベイコート倶楽部ベイスイートの会員権で300万円以下の会員権が出てくるようになり取引件数も増えました。
以前は、この価格帯のほとんどがエクシブ交換グレードE(スイート)でしたが、ラグーナベイコート俱楽部にこの価格帯の商品が出るに及んで品揃えが多くなってきています。

最後の価格帯は300万円以上の会員権となっています。
先月は全取引の32%を占めましたが、今月は27%に留まりました。
ベイコート倶楽部の取引は相変わらず活発な動きを見せたのですが、エクシブ交換グレードS(スーパースイート)の取引件数が今一つ伸び悩みと言う感があります。この会員権で600万円以下の会員権が減少し、多くが600万円以上になったことに由るものと考えられます。具体的には、エクシブ交換グレードS(13泊)の平均単価も先月と比較すると79万円程値上がりしています。


2) 6月のリゾート会員権流通の特徴

 6月の市場価格の変動は値下がり物件の方が多かったこともあり、会員権の平均単価は先
月比で2 ポイント値下がりしました。
会員権価格の変動が多かったのはベイコート倶楽部で、これは取引件数が多かったことによるものです。
反面、毎月値上がり件数の多い東急ハーヴェストクラブですが、今月は値動きの少ない月となりました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
6月 24件 43件 348ポイント -2ポイント

6月に値上がりした件数は24件で、先月よりも2件少なくなりました。
内訳を見ますと、先月1 件も値上がり物件がなかった300万円以上のエクシブ交換グレードE(スイート)が4 件増えたことが上記数字に反映しています。
その他で値上がりした会員権としては東京ベイコート俱楽部ベイスイートが挙げられます。先月値ごろ感のあった会員権が取引され市場から消えたことで、次の価格の会員権が市場に出てきたことによるものです。
なお、東急ハーヴェストクラブの値上げは2 件に留まっています。

6月に値下がりした件数は43件で先月より2件増加しました。
値下がりした会員権を見ますと、東京ベイコート倶楽部ロイヤルスイートに多く見られました。
そして、値下げされた会員権の多くは取引されていきました。
その他で値下がりした会員権はエクシブ交換グレードC(ラージ)で100万円以下の会員権でした。値下げされたことで値ごろ感のある会員権が市場に出てきたことで、取引件数も増えています。

6月に最高値を更新した会員権は1件でした。
エクシブ山中湖J タイプ(13 泊)の会員権です。本会員権が取引されたことにより、安い商品がなくなったことによるものです。

6月に最安値を更新した会員権は3件でした。
エクシブが1件、芦屋ベイコート俱楽部、ラグーナベイコート俱楽部の各1件が最安値を付けました。この値下がり幅は小さく価格調整レベルのものでした。