1)7月のリゾート会員権取引状況

 7月は株価、円(為替)の急変という状況となりました。
特に、日経平均が7月前半に過去最高値を付けました。その後、株価の値下がり傾向が見えてきたので、利益確定した方も多かったのではないでしょうか。
利益確定した資金の流用の一つとして、一部は形のあるもの、即ち耐久消費財購入資金に回ったかと思われます。リゾート会員権もその一つに含まれたものと推察します。

リゾート会員権市場の動きですが、取引件数は前年比で26.7%増加しました。また、先月比でも15.3%多くなっています。
この数字は前述した株取引と相関関係にあると推測することを拒むものではないと考えています。何故なら、7月の取引件数の推移をみますと、前半よりも後半の取引件数が増加しているからです。即ち、利益確定した後に会員権購入に動いたと想像されます。

7月に取引が一番多かった価格帯は100万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は38%となっています。先月より2ポイント減少しました。
今月もエクシブの交換グレードC(ラージ)で100万円以下の会員権の取引が堅調でした。
100万円以下で40㎡~100㎡のお部屋を利用できるというコストパフォーマンスの良さが評価されているのではないでしょうか。
エクシブ、サンメンバーズ以外の会員権の取引も多い月となりました。オアシスクラブ、逗子マリーナオーナーズの取引が多かったこと。更に、特筆すべき動きとして事業母体の変更があったウィスタリアンライフクラブも取引されるようになってきました。

次に多かった価格帯は300万円以上の会員権となっています。
先月は全取引の32%で、先月と同数となっています。
エクシブ交換グレードS(13泊)の取引件数は堅調で、底堅い需要を認めることができます。
ベイコート倶楽部の取引も相変わらず活発な動きを見せています。特に、今月はラグーナベイコート倶楽部の取引件数が増加しました。要因は譲渡禁止解除から5か月が経過したところで、市場価格がこなれてきていることが考えられます。

最後の価格帯は100万円以上300万円未満の会員権ですが、全取引件数に占める割合が30%となり、先月比で3ポイント減少しました。
今月もエクシブ交換グレードE(スィート)の会員権がこの価格帯の多くを占め、順調に取引が行われています。消費者の高級志向と会員権価格とのバランスが妙味となってこの会員権の需要を支えているものと思われます。
先月、ラグーナベイコート俱楽部でこの価格帯の会員権の取引があったのですが、今月はなかったことで、占有率の低下につながってしまいました。

2) 7月のリゾート会員権流通の特徴

7月の市場価格の変動ですが、値上がり・値下がり件数が同数になりましたが、会員権の平均単価は先月比で11ポイント値下がりしました。
これは、高額商品に値下がりした件数が多かったことによるものです。中でもベイコート倶楽部の件数が多い月でした。
値上がりと値下がり件数に差がなかったことから、市場としてバランスの取れた動きとして認容できます。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
7月 36件 36件 335ポイント -13ポイント

7月に値上がりした件数は36件で、先月よりも12件多くなりました。
内訳を見ますと、エクシブの値上がり件数が多くなっています。先月よりも7件増えています。因って、増加した件数の殆どがエクシブという事になります。
中でも、エクシブ交換グレードC、E(100万円以上300万円未満)の会員権の値上がり件数が多くなっています。先月、値上がりした会員権が少なかったことの揺り戻しのようです。

7月に値下がりした件数も36件で先月より6件少なくなりました。
値下がり物件の数が40件を下回ったのは、今年の2月以来のことです。
値下がりした会員権を見ますと、ラグーナベイコート俱楽部、東京ベイコート倶楽部下層階に多く見られました。加えて、エクシブ交換グレードAの会員権で高止まっている会員権に値下がり傾向が出てきています。

7月に最高値を更新した会員権は4件でした。
東京ベイコート倶楽部16階(12泊)が1,100万円から1,150万円に値上がりしています。
その他の値上がり会員権は東急ハーヴェストクラブ系の会員権で、各値上がり価格は判で押したように、殆どが5万円となっています。

7月に最安値を更新した会員権は5件でした。
エクシブ湯河原離宮Sタイプ(13泊)が680万円から670万円、エクシブ鳥羽Dタイプ(13泊)が120万円から100万円へ値下がりしています。
その他はラグーナベイコート俱楽部となっています。ラグーナベイコート俱楽部の市場価格は他のベイコート倶楽部との価格調整ができつつあるので、これからの最安値の更新は少なくなると思われます。