1)8月のリゾート会員権取引状況

 今年の8月は暑い夏になりました。
加えて、台風の影響を受けた月でもありました。特に6,10号は迷走・ノロノロ台風で旅行される方には相当な影響が出ました。受け入れ側のホテルもキャンセル対応が大変だったようです。
また、アメリカ経済の見通し、円高への動きなどから株価が乱高下した月となりました。

8月のリゾート会員権市場の動きですが、上記のようなマイナスファクターがあるにも拘わらず、底堅い動きを見せています。実際、取引件数比較では昨年同月を8%上回っています。
リゾート会員権市場を支えているのは、我国においてゆとりを求めるライフスタイルが定着してきたことにあるものと思われます。
更には、リゾートクラブがゆとりを求めるニーズに対応するサービスを提供していることも見逃せないでしょう。

8月に取引が一番多かった価格帯は100万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は44%となっています。先月より6ポイント増加しています。
100万円未満の会員権はイニシャルコストが低く抑えられること、リゾートクラブの利用料金が低く抑えられていることなど、経済的メリットの高い商品として評価されています。
しかも、品揃えが多いので幅広い消費者をカバーしていることが取引件数を支えています。
加えて、100万円未満の会員権には特徴のあるクラブが揃っています。

次に多かった価格帯は300万円以上の会員権となっています。
8月の取引件数は全取引の30%で、先月より2ポイント下がりました。
この価格帯の取引件数を下げた要因は、値上がりした会員権の63%が300万円以上の会員権だったことにあると思われます。
また、高額商品なので、株価、為替等経済的な動きの影響を受けやすく、株価の乱高下は好ましくない環境だった言えます。
今月はエクシブ交換グレードS の取引件数が少なかったのですが、ベイコートの取引件数が多かったことで、取引件数の占有率を支えました。

最後の価格帯は100万円以上300万円未満の会員権ですが、全取引件数に占める割合が26%となり、先月比で4ポイント減少しました。
この価格帯の商品のほとんどがエクシブとなっています。その中で、今月はエクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権がこの価格帯の多くを占めました。
C グレードの中で人気のある会員権が100万円近くまで値下がりしたことで、割安感の出てきた商品が取引されていきました。

2) 8月のリゾート会員権流通の特徴

8月の市場価格の変動ですが、値下がり件数が今年初めて50件を超えました。
内訳はエクシブの100万円未満の会員権の値下がり件数が多く、全体の50%を占めました。
譲渡禁止期間が経過して間もないラグーナベイコート俱楽部の市場価格は値下がりが続いていましたが、8月に入り落ち着きが見られるようになり値上がりする商品も出てきています。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
8月 35件 53件 346ポイント 11ポイント

8月に値上がりした件数は35件で、先月よりも1件少なくなりました。
値上がりした会員権の71.4%がエクシブとなっています。中でも多かったのはエクシブ交換グレードS で40%を占めました。このようにエクシブ交換グレードS の値上がり件数が多かったことから取引件数も少ない月となりました。
加えて、値上がりした会員権中、300万円以上の会員権は63%を占めているので、平均単価を上げる要因ともなっています。

8月に値下がりした件数も53件で今年に入って初めて50件を超えました。
値下がりした会員権の多くが100万円未満の商品となっています。中でもエクシブ交換グレードA の会員権の値下がりが目立ちました。エクシブブランドの会員権が手ごろな価格で購入できるという事で取引件数も増えました。
その他で値下がりした会員権として、東急ハーヴェストクラブがあります。特に、鬼怒川と那須Retreat は2か月連続で、値下がりしています。

8月に最高値を更新した会員権は2件でした。
東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢と那須の2件となっています。
旧軽井沢は4か月市場に登録がなかったのですが、5か月ぶりに市場に出てきて、115万円の値上がりとなっています。一方、那須は5万円の値上がりでした。

8月に最安値を更新した会員権は6件でした。
すべてがエクシブとなっています。中でも、比較的新しく市場に出てきた会員権で、徐々に値下がりしてきた会員権として、エクシブ湯河原離宮SEタイプ(13泊)が670万円から620万円、鳥羽別邸SEタイプ(13泊)が490万円から470万円へ値下がりし最安値を付けています。