1)9月のリゾート会員権取引状況

 今年の9月も8月同様、暑い日が続きました。
9月は3連休が2回もあり、旅行に行かれた方も多かったのではないでしょうか。
一方、政治の世界は各党の首長の変更があり、不透明な政局になりそうです。

そのような中で9月のリゾート会員権流通市場は活発に動いております。
取引件数を見ますと、前年同月比で18%増加しています。
要因は9月が例年になく暑い日がつづいたことで、避暑を兼ねた自然回帰という指向がリゾート会員権需要を喚起させたのではないかと推察します。
また、1か月の取引状況を見ますと、3連休後の9月の後半に取引件数が伸びました。この勢いが続けば10月の市場も動きのあるものになりそうです。

9月に取引が一番多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権となりました。
全取引件数に占める割合は37%となっています。先月より11ポイント増加しています。
取引された会員権の殆どがエクシブとなっています。特に、エクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権は安定して取引されています。
この価格帯でバッティングする会員権は東急ハーヴェストクラブとなりますが、施設のグレード、部屋の広さ、予約の取りやすさ等を比較するとエクシブにかなりのアドバンテージがあると評価されていることが取引される要因ではないでしょうか。

次に多かった価格帯は100万円未満の会員権となっています。
全取引件数に占める割合は33%で、先月よりも11ポイント減少しました。
原因はエクシブ交換グレードAの会員権取引件数が3分の1になったこと、加えて、サンメンバーズ・ワールドホリデーも先月の55%しか取引されていません。これは、市場での品薄が原因となっています。
逆に取引件数が増えたのが、エクシブ交換グレードC(ラージ)100万円以下の会員権でした。
この価格帯のエクシブはコストパフォーマンスの高い商品と言えそうです。

最後は価格帯が300万円以上の会員権となっています。
9月の取引件数は全取引の30%で、先月と同じ占有率(30%)となりました。
占有率は同数でしたが、内訳は異なっています。
エクシブ交換グレードSへの問合せが多かったことで取引件数が確保されました。反面SEの取引件数は減少しています。
Sグレードの取引件数が多かったのは、先月値下がりした会員権が多く、それらの中で価格がこなれたものが取引されていきました。
ベイコート倶楽部の取引件数は先月とほぼ同数となっています。

 

2) 9月のリゾート会員権流通の特徴

9月の市場価格の動きは売り買いともに30件前後の数字となりました。
先月の値下がり件数が50件を超えていたことと比較して、安定した市場となっています。
しかも、価格変動幅の少ない会員権が多かったことも、落ち着き感のある市場となりました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
9月 29件 33件 333ポイント -13ポイント

9月に値上がりした件数は29件で、先月よりも6件少なくなりました。
先月値上がりした件数が多かったエクシブ交換グレードSの会員権の件数が半減しております。これは、8月に取引件数が少なかったことが登録者の値上げ指向を抑制したものと思われます。
その他の会員権は例月通りの件数で推移しています。

9月に値下がりした件数は33件で先月より20件少なくなりました。
特に値下がりした件数が減少したのはエクシブの100万円以下の価格帯の会員権となっています。先月値下がり件数が27件だったものが、今月は9件に留まりました。
中でも、エクシブ交換グレードA(スタンダード)の会員権について10万円台まで下げた会員権に底打ち現象が見られます。

9月に最高値を更新した会員権は2件でした。
東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢と那須の2件となっています。
両会員権は2か月連続で最高値を更新しております。それぞれの年初からの値上がり額は旧軽井沢が120万円、那須が60万円となっています。
仮に、この価格で売却できたならば、投資商品と考える人も出てくるかもしれません。

9月に最安値を更新した会員権は3件でした。
先月より3件少なくなっています。
2件は価格調整程度の値下がりでしたが、1件だけかなりの値下がりとなっています。
ラグーナロイヤルスイート(24泊)で1900万円から1370万円へ値下がりしています。この会員権は流通市場に出てきて間もないことから、市場性が分からずに高額で市場に出てきたことによるものです。従って、他のベイコート倶楽部の市場価格との調整で安定してくるものと思われます。