1)1月のリゾート会員権取引状況

昨年の1月1日は能登半島地震で大変な正月でしたが、今年は特に問題なく1年が始まりました。しかし、今年はトランプ大統領の一言一言で世の中が動くような年になりそうです。

リゾート会員権流通市場は、1月にも拘わらず活発な動きを見せております。
特に、高額物件の取引が多かったのが特徴の月となりました。
この現象は、余暇時間は豊かで楽しい時間でありたいというニーズに応えられるハードとソフトを備えたハイクラスリゾートクラブに人気が集まった結果と推察されます。
一方、 外国人観光客が増えてきていますので、良い意味での閉鎖的なメンバーシップ制リゾートクラブの価値が見直されてきています。

次に、具体的な市場の動きを見てみます。
1月に取引が多かった価格帯は300万円以上の会員権となりました。
取引されたエクシブSタイプ(スーパースイート)の内訳を見ますと、離宮シリーズの会員権は市場に出てくれば取引される状況で、その他のエクシブSグレードの会員権は割安感のある会員権が取引されていきました。その意味で両者には多少の価格差がありました。
加えて、東京ベイコート倶楽部、芦屋ベイコート俱楽部も取引されたことから、全取引の42%が高額商品の取引となっています。

次に取引された価格帯についてですが、1月は100万円未満の会員権と100万円以上300万円未満の会員権の取引件数が同数でした。因って、全取引に占める割合は29%となりました。

まず、100万円未満の会員権の取引状況ですが、エクシブ交換グレードA(スタンダード)の取引件数が増えたことが今月の特色と言えます。10万円台まで価格が下がると取引される可能性が高くなっているようです。加えて、サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引も堅調に推移しています。
一方、エクシブ、サンメンバーズ・ワールドホリデー以外の会員権の取引件数は少ない月となりました。因って、100万円未満の全取引に占める割合が先月比で18ポイント少なくなりました。

次に、100万円以上300万円未満の取引状況ですが、エクシブEグレードの会員権の取引件数が増加しました。先月比で2.2倍の取引件数が確保されています。
エクシブEグレードのお部屋の広さや設備はハイグレードのものとなっている(東急ハーヴェストクラブVIALAに匹敵する内容を具備)ことから割安感のある商品と評価されたのではないかと推測しています。


2) 1月のリゾート会員権流通の特徴

1月の市場価格の動きですが、取引件数が多かった割には、価格変動の少ない月となりました。
価格の変動は下記の通り値上がり物件より値下がり物件の方が多い月でしたが、平均単価は12月より9ポイント値上がりしました。
この値上がりした要因は、高額物件に値上がり幅の大きな事例が多かったことによるものです。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
1月 21件 34件 334ポイント 9ポイント

1月に値上がりした件数は21件で、先月よりも4件少なくなりました。
値上がりした会員権の多くは、取引された会員権が市場から消えることで次の登録価格が市場に出たことによるものでした。
中でも高額物件の値上がり事例が多く、全体の約62%が高額物件となりなりました。このことが会員権全体の平均単価を上げる要因となっています。

1月に値下がりした件数は34件で先月より2件少なくなっています。
内訳を見ますと、先月より件数が減少したのはエクシブ交換グレードA(スタンダード)で、値下がり件数が先月比で5件少なくなっています。
一方、値下がり件数が増えたのは東京ベイコート倶楽部ベイスイートとラグジュアリスイートで登録件数10件中5件が値下がりしています。東京ベイコート倶楽部は価格の調整が行われた月と言えるでしょう。

1月に最高値を更新した会員権は2件ありました。
1件目は箱根離宮Sグレード(13泊)で1500万円から1540万円。2件目が東急ハーヴェストクラブ軽井沢で1210万円から1230万円へ値上がりしました。この値上がりは東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢と本会員権との間にある価格差が背景にあるのかもしれません。

1月に最安値を更新した会員権は4件でした。先月より2件少なくなっています。
エクシブ軽井沢パセオEC(13泊)430万円から420万円、芦屋ベイコート倶楽部ベイスイート(12泊)280万円から270万円、芦屋ベイコート倶楽部ラグジュアリスイート(12泊)620万円から600万円、ラグーナベイコート俱楽部ベイスィート(12泊)250万円から240万円へ其々値下がりしました。すべての会員権が取引可能価格を模索する程度の値下がりとなっています。