1)3月のリゾート会員権取引状況
3月の大きなニュースはアメリカのシリコンバレー銀行の経営破綻とスイスのクレディ・スイスグループの経営不安という出来事でした。
リーマンショックの再来かと噂されましたが、現在ではそれほどの影響はなさそうです。
但し、株式市場への影響は少なからずあったようです。
株式市場に影響が出ると、リゾート会員権市場にも影響が出てくるものなので、気がかりなところです。
3月のリゾート会員権市場の動きは先月に引き続き、安定した市場となっています。
上記のように金融機関の経営不安や物価上昇というマイナス要素がある中でも、今年になってから取引件数の増減が少なく、堅実に取引が行われています。
因みに、今月の取引件数を昨年同月と比較すると、1.19倍となっています。
昨年3月はウクライナ紛争勃発直後だったので、比較はできないかもしれませんが。
次に、3月の取引状況を見てみます。
今月、一番取引が多かった価格帯は300万円以上の会員権でした。
全取引件数に占める割合が40%となり、先月より3ポイント多くなりました。
先月、取引件数が少なかったSグレードの会員権でしたが、今月は市場に商品が出てきたことで取引件数が多く、取引占有率を高める要因となっています。
このように、高額商品への需要はしっかりあると思われます。
次に多かったのは、100万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合は36%となり先月比で11ポイント増加しました。
エクシブの取り扱い件数は先月と変わりがなかったのですが、サンメンバーズの取り扱い件数が先月の3倍になったことで占有率が上がりました。
サンメンバーズ・ワールドホリデーは商品が出れば取引されていくという状態が続いています。
取引件数が最も少なかったのは100万円以上300万円未満の会員権で、取引数の占有率は全体の24%となり前月比で14ポイント下がっています。
この価格帯のほとんどがエクシブ交換グレードCとEの会員権ですが、この両グレードともに取引件数が減ったことよるものです。
2) 3月のリゾート会員権流通の特徴
今月も値下がり物件が51件と多い月となりました。値下がり件数が50件を超えたのは4か月ぶりとなります。
値下がりした会員権は、エクシブの交換グレードの高い会員権と離宮シリーズに多く見られました。結果として、高額商品の取引件数が増えたのではないかと思われます。
一方、今年の1月から譲渡ができるようになったエクシブ六甲サンクチュアリ・ヴィラと芦屋ベイコート俱楽部の登録が出揃ったので、これらの登録による市場価格の影響が少なくなっています。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
3月 | 19件 | 51件 | 347ポイント | -6ポイント |
3月に値上がりした件数は19件でした。
先月とほぼ同数となりました。
値上がり件数が多かったのは、エクシブの交換グレードの低い会員権と東京ベイコート倶楽部となりました。
毎月、値上がり物件の多かった東急ハーヴェストクラブは2件に留まっています。
3月に値下がりした件数は51件となり、前月比で13件増えました。
値下がり件数が多かったのは、エクシブ交換グレードSタイプの会員権で3月は2月の4倍となっています。
また、会員権の種別を見ますと、エクシブ京都八瀬離宮、エクシブ箱根離宮の13泊タイプは全てのグレードで値下がりしています。
3月は値下がりした会員権の傾向がはっきりした月となっています。
3月に最高値を更新した会員権は1件でした。
東急ハーヴェストクラブVIALA軽井沢の1件で、1810万円から1830万円へ、値上がりし最高値を更新しています。
3月に最安値を更新した会員権は4件でした。
エクシブ鳥羽別邸SEタイプ(13泊)とエクシブ六甲サンクチュアリヴィラ(13泊)は2か月連続で最安値を更新しました。今月の芦屋ベイコート俱楽部はロイヤルスィートが最安値となりました。これらは、価格調整段階にあると見られます。