1)1月のリゾート会員権取引状況
ウクライナ紛争、インフレ、金融引締めなどは、2023年になっても変わりなくつづいていますが、新型コロナウィルス感染症はインフルエンザと同じ扱いになるという事で、より人の動きが活発になるものと思われます。
人の動きが出てくると経済にも好影響を与えることから、リゾート会員権へも波及効果が期待されます。
1年の初めの月ですので、今月の動きが今年1年を占う意味で重要であると考えています。
1月は稼働日数が少ないので問合せ、取引件数なども少なくなるのが例年の動きです。
しかし、今年の取引件数を見てみますと、1月中旬までは例年通りでしたが、後半になって高額物件を中心に取扱件数が伸びてきました。結果として、昨年同月比で23%のアップとなりました。
加えて、1月からエクシブ六甲サンクチュアリヴィラ、芦屋ベイコート倶楽部等が譲渡できるようになり、高額商品の選択肢が広がっています。
次に、1月の取引状況を見てみます。
今月、一番取引が多かった価格帯は300万円以上の高額物件でした。
全取引件数に占める割合は56%となり先月比で28ポイントも増加しました。
エクシブSグレード、ベイコート倶楽部の取引件数が多かったことによるものです。エクシブ離宮シリーズのほとんどが300万円以上の会員権なので、300万円以上のボリュームゾーンが大きくなっていることも占有率を上げる要因となっています。加えて、東京ベイコート倶楽部の下層階の価格がこなれてきているので、取引件数も増えています。
次に取引件数が多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。全取引件数における占有率は25%で、先月と同じ占有率でした。
取引されている会員権はエクシブラージタイプの会員権がほとんどでしたが、エクシブスィートタイプも市場価格のこなれている蓼科、初島、淡路島、浜名湖などの会員権は取引されています。
最後は100万円以下の会員権で占有率は全体の19%に留まりました。
先月比では28ポイントも下がりました。丁度、300万円以上の会員権と入れ替わった形となっています。
内容を見てみますと、エクシブ、サンメンバーズの取引件数は先月と同数でしたが、それ以外の低額商品の取引件数が少なかったことが原因でした。
2) 1月のリゾート会員権流通の特徴
市場価格の変動件数が少なくなり、市場も安定感が出てきました。
市場は値下がり商品の方が多かったのですが、今月は新規に譲渡できる会員権が市場に出てきており(エクシブ六甲サンクチュアリヴィラ、芦屋ベイコート倶楽部)、しかも、それらの会員権が高額な商品だったことから、全体としての平均価格を押し上げています。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
1月 | 28件 | 38件 | 349ポイント | 10ポイント |
※本年1月より、指数算出の基準を変更しています。
1月に値上がりした件数は28件でした。
先月より7件多くなりました。
今月は、東急ハーヴェストクラブのハーヴェスト、VIALAの値上がり件数が多かったこと、東京ベイコート倶楽部の値上がり件数が増えたことによるものです。
エクシブは先月の値上がり件数とほとんど変わりはありませんでした。
1月に値下がりした件数は38件でした。先月比で10件少なくなっています。
値下がりした会員権は全体的に少なくなっています。
そのような中で、値下がりした件数の多かった会員権は、エクシブ交換グレードE(スィート)、エクシブ離宮シリーズでした。
これらは、同じ価格で動きが出てこないことから価格の調整という事で値下げをした会員権でした。
1月に最高値を更新した会員権は4件となっています。
東急ハーヴェストクラブ系が3件、エクシブが1件でした。
大幅に値上がりしたのがエクシブ京都八瀬離宮Sタイプ(26泊)で1,200万円から2,000万円へ値上がりしました。かなりの値上がりでしたので、今後の動向が気になるところです。
1月に最安値を更新した会員権は1件のみでした。
エクシブ湯河原離宮Sタイプ(13泊)で760万円から750万円への値下がりです。
この会員権は市場に出てきてから間がないので、高めの市場価格となっています。従って、価格調整の意味もあり、値下がりしたものと思われます。