1)5月のリゾート会員権取引状況

5月8日から新型コロナウィルス感染症は5類へ移行され、人々の活動が一層活発となっています。
これを受けて、リゾート会員権へ興味を持つ層が広がってきているように思えます。
加えて、日経平均が3万円台を回復したことも、会員権市場にとって好ましい状況となっています。

5月のリゾート会員権市場も順調に推移しております。
リゾート会員権に興味を持つ層が広がることで、いろいろなリゾートクラブへの問い合わせも増えてきています。実際、エクシブ以外の会員権で割安感のある会員権の取引も行われています。
これらの会員権の認知度が上がっていけば、全体の取引件数も増えていくものと思われます。
5月の取引状況を見ますと、4月同様、取引された価格帯に大きな差はなかったものの、エクシブ交換グレードAとSの会員権の取引件数が少ない月となっています。

今月、一番取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引件数に占める割合が41%となり、先月より10ポイント多くなりました。
エクシブの取引件数も多少増加しましたが、サンメンバーズ・ワールドホリデー、その他の会員権の取引件数が確保されたとことも数字を上げた要因となっています。

次に多かったのは、300万円以上の会員権でした。
全取引件数に占める割合は33%で、先月比で1ポイント下がりました。
5月はエクシブ交換グレードSの取引件数が少なくなっています。先月の37.5%の件数しか取引されていません。5月はSグレードの会員権に値ごろ感のある商品が少なかったことがあげられます。4月に値ごろ感のある会員権が取り引きされていったことに理由があります。
因みに、東京ベイコート倶楽部の取引件数は5月も4月と同数となっています。

取引件数が最も少なかったのは100万円以上300万円未満の会員権で、取引数の占有率は全体の26%となり前月比で10ポイント下がっています。
原因はエクシブ交換グレードEの会員権の取引件数が4月と比較して58%に留まってしまったからです。
その原由はエクシブSグレードの取引件数が減少した事由と同じく、割安感のある会員権が4月に多く取引されたことによるものです。


2) 5月のリゾート会員権流通の特徴

今月の価格変動は4月より値下がり件数が多い月でした。
中でも、エクシブ交換グレードEとSが多い月となっています。この値下がりしたグレードに属する商品は先月値下がり件数の少ない商品だったので、今月価格の調整がなされたのではないかと思われます。

なお、値上がりした件数より値下がりした件数が多いのに、平均単価が上がっています。これは、今まで市場になかった高額商品数件が市場に出てきたことによるものです。この商品がなければ、平均単価は4月とほとんど同額となります。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
5月 24件 40件 357ポイント 1ポイント

5月に値上がりした件数は24件でした。先月と同数となっています。
値上がり件数が多かったのは、エクシブ交換グレードCと東急ハーヴェストクラブとなっています。エクシブ交換グレードCの会員権は、お部屋のグレードが高い割に価格がこなれているという事で、先月取引件数が多かったことを受け、今月は強含みで動いたものと推察されます。

5月に値下がりした件数は40件となり、前月比で8件多くなっています。
しかも、値下がり件数が多かった会員権は、エクシブ交換グレードEとS、東京ベイコート倶楽部となっています。
これら会員権の値下がり傾向を見ますと、エクシブの場合は3か月間同じ価格で市場に出ていた会員権の値下がり事例が多く、東京ベイコート倶楽部の値下がりは、微調整にとどまる例が多くなっています。

5月に最高値を更新した会員権は5件でした。
東急ハーヴェストクラブは2件(蓼科アネックス、箱根甲子園)、エクシブ3件(伊豆Gタイプ13泊、白浜アネックスFタイプ13泊+宿泊券10枚、同じくHタイプ13泊)となっています。
エクシブで最高値を付けた会員権は、過去数年市場に出ていない会員権で、コロナ禍以降市場全体の値上がりした市場価格に合わせたことで、最高値を付けた商品となっています。

5月に最安値を更新した会員権は7件でした。
白浜Bタイプ(26泊)が80万円から35万円へ最安値。その他の値下がり物件は市場に出てきて間がない商品で、未だ、価格調整段階にあるための最安値更新となっています。その中で、エクシブ湯河原離宮CB(13泊)、芦屋ベイコート俱楽部ベイスィート(12泊)は底値圏に来ているものと推察します。