1)1月のリゾート会員権取引状況

 2024年は、能登半島の大地震、羽田空港の日航機の事故など、多難な門出となりました。
一方、米国のインフレ懸念が収まりつつあり、利上げから利下げを模索できるところまできたことで、株価及び債券にも良い影響が出てきています。
我が国においても、企業の好業績を背景に株価も値上がりしてきています。

今月のリゾート会員権市場は、経済が上向きになっているにも拘わらず、能登半島の大地震の影響があったようで、問い合わせ件数がコロナ禍直後の状態まで減少し、取引件数も1月としてはコロナ禍以降最低の件数となりました。
因みに、昨年同月比で30%の減少となっています。
東日本大震災の時も2011年2月と比較して、同3月は問い合わせ件数が50%減、取引件数は21%減となっていました。

1月、取引が一番多かった価格帯は、100万円以上300万円未満の会員権でした。全取引件数に占める割合は36%で、先月比で4ポイント増加しています。
先月取引件数が多かったのはエクシブ交換グレード E(スィート)の会員権でしたが、今月はエクシブ交換グレードC(ラージ)が多く、先月より1.8倍となりました。
買い易い会員権と評価された結果ではないかと思われます。

次に取引件数が多かったのが、100万円以下の会員権となっています。
全体の取引件数が減少している中で、先月と同数の取引が行われています。
エクシブの取引件数に加えて、サンメンバーズ・ワールドホリデーと鴨川リゾートクラブジャイロ、逗子マリーナオーナーズの取引が安定的に行われています。

最後は300万円以上の会員権ですが、全取引件数に占める割合が29%となり、先月比で3%減少しています。
東京ベイコート倶楽部の取引件数は先月とほぼ同数だったのですが、エクシブ交換グレードSの取引件数が先月比で44%減少したことが要因となっています。
エクシブSグレードの会員権は、値下がり件数が先月比で80%増えたのですが、引きが弱かったこともあり取引に繋がりませんでした。

2) 1月のリゾート会員権流通の特徴

市場価格の変動は先月と殆ど同じ件数となりました。
値下がり件数が値上がり件数の約倍数となっています。従って、市場価格は弱含みのトレンドで推移していると見ることができます。
但し、高額物件が新たに市場に出てきていることから、平均単価は値下がり件数が多い割には値下がりしていません。
2月からラグーナベイコート倶楽部が新たに市場に出てきますので、平均単価は値上がりする可能性もあります。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
1月 21件 40件 346ポイント -8ポイント

1月に値上がりした件数は21件で、先月よりも1件少なくなりました。
値上がりした会員権はエクシブが全体の66%を占めています。
中でも、エクシブ鳥羽アネックスと湯河原離宮が他の会員権との比較で値上がりしています。揺り戻しで値上がりした感がります。

1月に値下がりした件数は40件で先月と同数でした。
エクシブは先月と全く同数でした。値下がり件数が増えたのはベイコート俱楽部で、ベイスィートとロイヤルスィート上層階の会員権となっています。加えて、芦屋ベイコート俱楽部も値下がりしています。まだ、価格が安定しない状態が続いています。

1月に最高値を更新した会員権は1件でした。
東急ハーヴェストクラブVIALAアネックス京都鷹峯で1320万円から1375万円への大幅な値上げとなりました。会員権価格と年間の高額な維持管理費(ランニングコスト)を考えると、この会員権の経済性は高くないので、その狙いは経済性よりもステイタス性に重点が置かれているように感じられます。

1月に最安値を更新した会員権は6件でした。
エクシブが4件、芦屋ベイコート俱楽部が2件となっています。
芦屋ベイコート俱楽部の市場価格はまだ安定しない状態になっています。価格が安定するメルクマールは他のベイコート倶楽部との価格バランスと言うことになりそうです。