1)12月のリゾート会員権取引状況
2024年暮れのボーナスは前年同期と比較し3.4%増となりました。この額は1970年開始以来、過去最高額を更新したとのこと。今年の賃上げ気運と相まって、個人消費も回復とまでとは言えませんが、成長トレンドは続いているのと思われます。
12月の流通市場の動きですが、例年12月は取引件数が落ちるのですが、昨年同月取引件数とほぼ同数が確保されました。
取引された会員権内容を見てみますと、300万円以上の会員権の取引は安定していますが、100万円以上300万円未満の会員権の取引件数が減り、100万円未満の会員権の取引件数が増加しています。
100万円未満の取引状況ですが、サンメンバーズとその他の会員権の取引が堅調であることに加え、エクシブ交換グレードC(ラージ)100万円未満の会員権が増えていることに要因があります。
次に、具体的な市場の動きを見てみます。
12月も取引が一番多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
この価格帯のエクシブの取引は交換グレードA(スタンダード)よりも交換グレードC(ラージ)の取引件数が多い状態が続いており、安定した取引件数が確保されています。
加えて、サンメンバーズ・ワールドホリデーの取引、及び、逗子マリーナや鴨川リゾートクラブジャイロなどの会員権も順調に取引されています。これらの会員権は投資効率が良いという事が購入動機になっています。
次に多かった価格帯は300万円以上の会員権でした。この価格帯の会員権は安定して取引されており、全取引件数に占める割合は30%となっています。
エクシブ交換グレードS(スーパースィート)の取引件数は相変わらず堅調に推移しています。リゾートホテルの中でもトップクラスの施設の充実度、質の高いお部屋をリーズナブルな利用料金で利用できることが評価されているものと思われます。加えて、オーナー及びオーナーの紹介がないと利用できないというステイタス性も人気の源泉になっています。
最後は価格帯が100万円以上300万円未満の会員権となっています。
この価格帯で取引されたエクシブ交換グレードC の会員権は人気のあるロケーションの会員権及び、交換グレードE の会員権は割安感のある会員権が取引されていきました。
また、この価格帯でラグーナベイコート俱楽部のベイスィートが取引されています。
2) 11月のリゾート会員権流通の特徴
12月の市場価格の動きですが、先月同様値動きの少ない安定した市場となりました。
特に、価格変動が少なかったのがベイコート倶楽部でした。12月の取引件数が少なかったことから、市場価格の変動に影響を与える事案が少なかったことに因るものです。
値上り 会員権数 |
値下り 会員権数 |
指 数 | 前月比較 | |
---|---|---|---|---|
12月 | 25件 | 36件 | 325ポイント | -5ポイント |
12月に値上がりした件数は25件で、先月よりも1件少なくなりました。
そのような中で、値上がり件数が多かったのはエクシブ300万円以上の会員権でした。前月取引され、次の登録価格が高いことで値上がりした事例が約半数を占めています。
特に、エクシブ浜名湖にこの事例が多く出ており、市場に出ている会員権が7件ある中で5件が値上がりしています。
12月に値下がりした件数は36件で先月より3件少なくなっています。
相変わらず、エクシブで100万円以下の会員権の値下がり傾向が続いています。
しかし、値下がり幅が少なかったのはエクシブ交換グレードC(ラージ)の会員権 で、取引価格を模索するかのような値動きとなっています。
先月1件も値下がり商品が出なかった芦屋、ラグーナの両ベイコート倶楽部でしたが、今月は値下がり商品が出ています。
12月に最高値を更新した会員権はありませんでした。
東急ハーヴェストクラブの中で、旧軽井沢やVIALA 有馬等は最高値を付けてから4か月から5か月市場価格に動きが出ていません。因って、そろそろ値上げをしてくるのはないかと推察されます。
12月に最安値を更新した会員権は6件出ており、先月より3件多くなっています。
2ケ月連続で最安値を付けた会員権が出ています。エクシブ白浜アネックスネックスHVZ 60万円から59万円、 エクシブ白浜アネックスNVZ 65万円から58万円へ其々値下げされています。
また、ラグーナベイコート俱楽部ラグジュアリスイートが620万円から600万円へ値下げされました。これは芦屋ベイコート俱楽部ラグジュアリスイートとの価格の調整がなされたものと思われます。