1)3月のリゾート会員権取引状況

 3月もトランプ禍の月と言えそうです。
トランプのカナダ・メキシコに25%関税発動を皮切りに、全ての貿易相手国・地域に10%の一律関税を発動しました。トランプの一連の関税政策により、株価は乱高下し世界の経済状況に多大な影響が出てきました。
我国にも24%関税を課すとの発表があり、輸出産業を中心に早急な経済対策が求められています。

リゾート会員権流通市場は、前月比で取引件数を比較すると12%ほど減少しました。また、前年同月比でも12%減少しています。
アメリカの国債が売られ始めたという記事を読むにあたり、これからは経済的リセッションだけでなく、金融的リセッションとの複合的な形で起きてくる可能性があります。そうなると、リゾート会員権市場にも影響が出てくるでしょう。

次に、具体的な市場の動きを見てみます。
3月に取引が多かった価格帯は300万円以上の会員権となりました。全取引に占める割合は38%で、2月より3ポイント増加しています。先月との違いはベイコート倶楽部の取引件数が伸びたことです。背景には値下がりした会員権が多く出ており、しかもそのほとんどが取引されていきました。
更には、市場に多くの商品が登録されているので、当分、ベイコート倶楽部の取引件数は確保されていくものと思われます。

次に取引された価格帯は100万円未満の会員権でした。全取引に占める割合は33%で先月より4ポイント減少しました。
サンメンバーズ・ワールドホリデー、鴨川リゾートクラブジャイロは今月も安定的に取引されていますが、エクシブの交換グレードA(スタンダード)の取引は停滞しています。
一方、エクシブの交換グレードC(ラージ)で100万円を切った会員権の取引件数は堅調に推移しています。

最後は、100万円以上300万円未満の会員権の取引でした。全取引に占める割合が29%で先月より1%増えています。
数字的には殆ど先月と変わりがないのですが内訳を見ますと、エクシブ交換グレードE(スイート)の会員権の取引件数が減少した一方、ベイコート倶楽部の300万円以下の会員権の取引件数が増加しています。
加えて、今月はこの価格帯の東急ハーヴェストクラブが2件取引されています。


2) 3月のリゾート会員権流通の特徴

3月の市場価格の動きですが、全体的には値動きの少ない月となっています。
特に、エクシブの高額商品の値動きが少ない月で、価格に落ち着きが出てきています。従って、会員権を検討するには良い環境になったと言えるでしょう。一方、ベイコート倶楽部は値動の多い月となりました。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
3月 23件 35件 310ポイント -4ポイント

3月に値上がりした件数は23件で、先月よりも9件少なくなりました。
全体に値上がりした会員権数が減少していますが、特に減少が目立ったのはエクシブ交換グレードC(ラージ)で、先月比で8分の1となっています。市場価格が100万円以下というところで落ち着いてきているようです。
このように値上がりした会員権が少ないことから、4月の取引件数の伸びが期待されます。

3月に値下がりした件数は35件で先月より14件減少しました。
先月より値下がりした会員権数が増えたのは、300万円以下のベイコート倶楽部のみでした。
一方、値下がり件数が減少したのは、エクシブの300万円以上の会員権で、先月比で4分の1となっています。4月以降の価格動向が気になります。

3月に最高値を更新した会員権は3件でした。
ラグーナベイコート倶楽部ロイヤルスイート850万円から880万円、東急ハーヴェストクラブ蓼科305万円から420万円、VIALA鬼怒川渓翠1430万円から1630万円となっています。VIALA鬼怒川渓翠は1か月で200万円の値上がりとなっています。この価格はVIALA箱根翡翠と同等の価格帯ですので、立地条件の比較から見て高値感は否めません。

3月に最安値を更新した会員権は3件でした。先月より2件少なくなりました。
エクシブ淡路島Eタイプ(13泊)80万円から70万円、エクシブ琵琶湖Dタイプ(13泊)90万円から80万円、エクシブ那須白河Eタイプ(13泊)300万円から265万円へ其々最安値を更新しました。