1) 12月のリゾート会員権取引状況

12月短観で景況感を示す業況判断指数が5期連続で改善したことや今年最後の日経平均株価が6年連続で上昇したことなど全体として好調な経済状況の中で12月が終了しました。

12月のリゾート会員権市場は、稼働日数が少ないことや何かとあわただしいことなどから、静かな市場になるのですが、今年は上記のような経済状況を背景に落ち込みが少なく動きのある市場となりました。

今年の流通市場は、アベノミクスが登場し異次元の金融緩和の年に次ぐ動きとなりました。

取引の状況を見てみますと、先月より一層高級志向へ動きました。

勿論、全取引に占めるエクシブの取引件数は70%を超えておりますが、300万円以上の会員権の取引割合が多くなっております。

エクシブ以外の会員権の動きは、サンメンバーズ・ワールドホリデークラブとオアシスクラブの取引が活発に行われました。価格が安いので買いやすい商品と考えられているようです。

次に、取引された会員権価格を見てみます。

一番取引が多かった価格帯は、先月同様100万円以下の会員権でした。

サンメンバーズ・ワールドホリデークラブやオアシスクラブなどの会員権が確実に取引されましたが、取引件数自体が減少したことで先月よりも占有率が下がりました。

次に多かった価格帯は先月同様300万円以上の高額商品でした。100万円以下の会員権の占有率を下げた要因は、高額商品の取引件数が堅調だったことに因るものです。

特に、エクシブのSグレードの会員権で値ごろ感のある商品はほとんどが取引されていきました。

一方、100万円以上300万円以下の会員権の取引件数は全体の26%で、先月より5ポイント上がりました。エクシブのEグレードの会員権が取引されるようになり、200万円上の取引件数が増えました。景気の影響かもしれません。

2) 12月のリゾート会員権流通の特徴

12月は価格変動した会員権数が多い月となりました。
11月に取引された会員権のほとんどが値上がりしたことと、年末につき値下げしても売却しようとする動きがあったものと見ることができます。

値上り
会員権数
値下り
会員権数
指数 前月比較
12月 33件 30件 245ポイント +6ポイント

12月に値上がりした件数は33件となっています。

今年になって値上がり件数が30件を超えたのは10月に続き2回目となりました。

33件中24件がエクシブとなっています。その中でも、値下がり傾向にあった有馬離宮ですが、13泊タイプの会員権は4グレード中3グレードが値上がりしました。
原因は11月に取引された結果、安い商品が市場から消えた事によるものです。

東急ハーヴェストクラブも値上がりした会員権が多かったのですが、高額商品に値上がり物件が集中しています。

12月に値下がりした件数は30件で先月より1件多くなりました。

30件中エクシブの値下がり件数は22件で値下がり物件の73%を占めています。

値下がりしたエクシブの内に最安値を更新した会員権は約23%となっており、4件に1件は最安値を更新したことになります。

最安値を更新した会員権以外はおおむね価格の微調整程度の値下がりとなっています。

12月に最安値を更新した会員権は7件で、先月より2件多くなっています。

エクシブ以外で最安値を更新したのは、東京ベイコート倶楽部9階と逗子マリーナフェニックスです。

人気の高かったフェニックスも10万円を切る価格になりました。

一方、最高値を更新したのは先月と同数の6件となりました。

東京ベイコート倶楽部15階(12泊)が700万円台となりました。
ラグジュアリー(12泊)で700万円の商品が市場に出ていたので、遅かれ早かれこの価格帯になるだろうと予測できていました。

その他の5件は全て東急ハーヴェストクラブでした。しかも、12月に値上がりした会員権の全てが最高値を更新する結果となっています。