1)6月のリゾート会員権取引状況 

 今年は統計開始以来初めて6月に梅雨明けし、本格的な夏が始まったようです。
天候が良かったこともあり、観光地や海山へ多くの人々が動きました。
ちょっと、コロナの感染拡大が気になりますが・・・。

ウクライナの問題やインフレによる金融引き締めなど経済的なマイナスファクターはあるものの
リゾート会員権流通市場は、目立った落ち込みもなく底堅い動きで推移しています。
休日の過ごし方がアクティブになり、観光地やリゾート地へ行きたいというニーズの受け皿の一つ
としてリゾート会員権が市民権を得てきているのではないでしょうか。

次に、6月の取引状況を見てみます。
一番取引が多かった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は37%で、先月より5ポイント多くなりました。
因みに、この価格帯が一番多くなったのは2019年10月以来のことです。
この価格帯の取引はほとんどがエクシブとなっています。エクシブ交換グレード C(ラージ)はグレ
ード感が高いにも拘わらず買い易い価格帯になっていること、更には、交換グレード E(スィート)
で300万円割れの商品が増えてきていること等が取引件数を確保できた原因と思われます。

次に取引が多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は全体の35%となり、前月比で6ポイント少なくなりました。
占有率が下がったのは、エクシブの取引件数が減ったことによるものです。
5月に多くの会員権が取引されたことで、6月は値ごろ感のある商品が市場に少なくなり取引件
数も減少しました。加えて、品薄状態のサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数も減少して
います。
一方、ウィスタリアンライフクラブ、逗子マリーナ、鴨川ジャイロクラブなどは安定的に取引が行わ
れています。

最後に、最も取引が少なかったのは300万円以上の会員権で、全体の占有率は27%となっ
ております。占有率の数字としては先月と同数になりました。
エクシブ S グレードの会員権の価格が二分化しています。離宮シリーズの S タイプとそれ以外の
S タイプですが、前者は800万円前後、後者は700万円前後の価格で取引されています。
また、高額商品である東京ベイコート倶楽部の取引件数が減少しています。価格の調整がつい
ていないことが原因と思われます。


2) 6月のリゾート会員権流通の特徴

 6月の市場は売り買いともに大きな動きのない月となりました。
最近名義変更ができるようになった、エクシブ湯河原離宮は価格の調整過程にあり、値下がり傾
向が見られます。
一方、値上がり傾向の強かった東急ハーヴェストクラブは値上がり基調に翳りが見えてきていま
す。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
6月 27件 29件 381ポイント +4ポイント

 6月に値上がりした件数は27件でした。
先月よりも2件増えています。底値圏にあると見られているエクシブ交換グレード A(スタンダー
ド)ですが、今月は値上がり物件が多い月でした。サンメンバーズの値上がりこの会員権の価格
上昇を誘発したものと思われます。
加えて、エクシブ交換グレード C(ラージ)の価格もじわじわと値上がりする会員権も出てきまし
た。

6月に値下がりした件数は29件でした。先月より7件少なくなりました。
比較的強気の価格設定がなされていたエクシブ軽井沢、京都八瀬離宮に下げた会員権が多か
ったこと、譲渡できるようになって間のないエクシブ湯河原離宮も他の同じ交換グレードとの価格
調整とみられる値下げの動きが出ています。

6月に最高値を更新した会員権は4件でした。
内訳は東急ハーヴェストクラブ、VIALA が2件、東京ベイコート俱楽部が2件となっています。
特に東急ハーヴェストクラブ蓼科は1年間で約 30%の値上がりとなっています。
東京ベイコート倶楽部の20、21階が最高値を付けました。今までの価格が低かったことから調
整という値上がりと見ることができます。

一方、6月に最安値を更新した会員権は2件となっています。
エクシブ鳥羽別邸 CB(13泊)が160万円から150万円へ、エクシブ湯河原離宮 CB(13泊)
が170万円から160万円へそれぞれ最安値を更新しています。
譲渡禁止が解禁されて間もない会員権ですので、当初市場に出た価格が高かったこともあり、少
しづつ値下がりしているというところです。