1)10月のリゾート会員権取引状況 

 インフレ抑制の金利高が趨勢となっている中で、わが国だけが別世界の金融政策。結果として
32年ぶりの円安(150円台乗せ)になりました。
円安は物価に影響することから悪いインフレ助長ということになりそうです。
一方、明るいニュースとして、10月11日からスタートした「全国旅行支援」があります。
旅行促進効果により、リゾート会員権市場にも良い影響が出てくることを期待しています。

10月のリゾート会員権市場の問い合わせ件数はコロナ前の状態に戻った感じになりました。
また、問い合わせ内容も9月までとは少し様相が変わってきており、具体性が乏しくなっています。即ち、リゾートクラブに興味をもっている方から、どのリゾートクラブが良いかと言う相談が多い月でした。
これは、全国旅行支援効果で、兎に角、旅行をしたいというニーズの現れと見ることができます。

10月の取引状況を見てみます。
今月、一番取引が多かった価格帯は300万円以上の会員権で、全取引件数における占有率は39%となっております。占有率の数字としては先月より15ポイント増加しました。
増加した内容は、先月取引の少なかった東京ベイコート倶楽部の取引件数が増加したこと、及び、エクシブの交換グレード S(スーパースィート)の取引が約3倍増となったこと。
中でも、関西圏で Sグレードのあるエクシブは 6 か所あるのですが、その内5 か所の S グレードが取引されています。

次に多かった価格帯は100万円未満の会員権でした。
全取引件数における占有率は32%で、先月より7ポイントが下がりました。
大きく占有率を下げた要因はサンメンバーズ・ワールドホリデーの取引件数が減ったことによるものです。
先月比で約 64%取引件数が減少しました。
その他の会員権取引状況は、先月とほとんど同じ状態です。

最も取引件数が少なかった価格帯は100万円以上300万円未満の会員権で、全取引件数における占有率は30%となり、先月よりも7ポイント減少しています。
減少した原因は、先月と比較しエクシブの交換グレードC(ラージ)の取引件数が少なくなったことです。
先月、値下がりしたエクシブ・ラージタイプの多くが取引されたことで、今月になって割安感のある会員権が少なくなったことに因るものです。

 

2) 10月のリゾート会員権流通の特徴

 10月は値下がりした会員権の多い月となりました。
特に、値下がり件数が多く、40件を超えています。
値下がり件数が多かったのはエクシブで、値ごろ感のある会員権は取引されていきました。
因って、全取引件数に占めるエクシブの取引件数の割合も66%と高くなりました。因みに、先月のエクシブの占有率は55%でした。

  値上り
会員権数
値下り
会員権数
指  数 前月比較
10月 30件 48件 362ポイント ▲18ポイント
 10月に値上がりした件数は30件でした。先月より11件少なくなっています。
これは、東京ベイコート倶楽部の値上がり物件が先月比で9件少なかったことが要因となっています。
その他で目立ったのはエクシブの交換グレード A(スタンダード)の値上がり件数が増えたことです。100万円を越える会員権も出てきています。
商品が少なくなってきたことの裏返しといえるかもしれません。

10月に値下がりした件数も48件でした。先月よりも11 件増えています。
値下がりした件数が40件を超えたのは、コロナ前の2019年10月でしたので、3年ぶりの40件越えとなりました。
中でも、エクシブ交換グレード C(ラージ)会員権の値下がり件数が目立ちました。この会員権は市場に最も多く出ているので、値下がり件数も多くなっています。
東急ハーヴェストクラブは9月と比較して、値下がり件数が増えました。
東急リゾート株式会社以外の流通業者が東急ハーヴェストクラブを安値で市場に出してきているからです。

10月に最高値を更新した会員権は8件でした。先月より2件増えています。
東急ハーヴェストクラブが6件、エクシブが1件となっています。

10月に最安値を更新した会員権は2件でした。
エクシブ鳥羽別邸CBタイプ(13泊)が2か月連続で最安値を付けました。先月より5万円値下がりしています。もう1件はウィスタリアンライフクラブヴェルデの森東館でした。